第2話 Psychic Bento Crisis(2023お題:伝書鳩パーティ)

混迷の時代、安らぎを求め社を目指しお遍路スケサクは旅をする。


それは社でサイキックもまた授かれる、と知った後の事だった。行く先に、身を横たえた者を囲んで肩を落とす者らに出くわす。


どうしたのかと問えば、長旅に疲れもう先は長くないと言う。しかし彼らは大事な命を負っており、一人欠けても成さぬのだという事だった。


「お社の秘儀、心お弁当が狙われております。我ら、この一大事を知らせに参る途中。皆それぞれその文言を預かっており、この者もまた」


「なんと、わたしも向かう途中!」


「どうかわ、私の言葉を継いで、下され……」


足元から声は聞こえ、スケサクはその口元へ耳を寄せていった。最後の力を振り絞り言葉を預けたその者はやがて息絶えた。


立ち上がったスケサクの胸にさらなる使命は刻み込まれる。


「そなたらは……」


尋ねた時、囲う輪から一人、進み出た。


「我ら密命運ぶ、人呼んで伝書鳩。おぬしは?」


「スケサクという者」


「そうかスケサク。ようこそ伝書鳩パーティへ!」

(413文字)

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