第2話



 今日もバイトだと思う。


 学校に行くまでの間、彼は時々コンビニのレジ打ちをしてる。


 定時制の高校に通ってるから、昼過ぎまでは働いてるんだ。


 そのせいで最近は寝不足気味で、昨日も宿題をやりながら眠ってた。


 「起きて」って言ったけど全然ダメでさ?


 家賃を少しでも払おうと頑張ってくれてるんだけど、私はそんなのは気にしてない。


 自分で一人暮らしを始めたんだし、彼が居候をするようになったのも、あくまで成り行き上で。



 ヴー


 ヴー



 …ん?


 また?


 よく誰かと電話してるのは目にしてた。


 アパートの外に出ては、他愛もない会話で笑ってたり。


 「友達」だって言ってた。


 “古い友達”だって。


 彼と私は高校に入ってから知り合って、とあることがきっかけで仲良くなった。


 中学時代の彼は知らないし、ましてや、子供の頃のことは全然。


 彼の「過去」を知りたいと思ったことは何度かある。


 好きになればなるほど、ふと、彼のことをもっと知りたくなって。

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