第2話







 ・ファイナンス帝国こそが世界の中心であり支配者である


 ・自分達にはない知識を持つ異世界人こと謙虚な日本人を聖女として召喚し妻に迎える事で帝国は更に繁栄する






 私と童顔巨乳女子高生を召喚した皇帝達の話を簡単に纏めるとこういう感じね。


 童顔巨乳女子高生と比較して使えないと判断された私は問答無用で宮殿を追い出されたわ。


 出勤途中で聖女召喚に巻き込まれただけではなく、無一文で放り出された私はまず鞄に入っていたスマホを取り出してみたの。


「あれ?100%に充電されてる?バッテリーの残量は70%だったのに?」


 疑問に思ったけど今はスマホが使えるかどうかの確認が先。


 当然と言えばいいのか通話は圏外だから電話は通じないし、マップやゲームとかのアプリは開かない。


 自分のプロフィールだったら見れるのではないか?と思った私は起動してみたの。


 電話番号やインストールしているアプリが何なのかは見れるのだけど、そこには見覚えのない文字があったの。


 ステータス


 何でこんなものが?と疑問に思ったけど、この【ステータス】こそが大神官とやらが言っていたスキルを確認できるのではないか?と思った私はタップしてみたら・・・【手】と【種】が表示されたわ。


 手?


 種?


 それぞれの文字をタップしたら意味が分かるのでは?と思いタップすると・・・


「こ、これは・・・!何というチートスキル!!」


 思わず声を上げてしまったわ。


 手というのはマッサージした箇所と使う化粧品にもよるが、肩こり・頭のこり・疲労回復・美白・美肌・リフトアップ・バストアップ・ヒップアップ・デトックス効果があるというもの。


 マッサージによる効果は一ヶ月続く。


 手スキル所有者が作る料理にはデトックス効果のみが発揮される。


 種というのは地球にある製品が例え不毛な砂漠であっても僅かな時間で栽培できるというものだったの。


「異世界に召喚された日本人が必ず恋しがる米・味噌・醤油の種だけではなく、肉に魚、砂糖・塩・胡椒といった調味料、カップ麺にインスタントラーメン、シャンプーやコンディショナーに石鹸、洋服に下着、電池を入れたら使えるゲームのハードにソフト、生活雑貨、金や銀といった金属、二十一世紀並みに水回りのインフラが整った一軒家までもがあるなんて・・・」


 ACアダプターに差し込まないと使えないゲームやパソコン、冷凍食品がないのは分かるとして・・・拳銃にライフル、マシンガンにバズーカ砲といった武器に手榴弾や地雷といった兵器の種がないというのは非っっっ常に残念だったわ!!


 あれば皇帝という男達にちゃんと仕返ししたのに!!!


 チッ!


 ・・・・・・まぁ、愚痴を零しても仕方ないわね。


 取り敢えず食事と宿屋に泊まれるだけのお金が欲しい私は砂金という文字をタップしてみたの。


 えっ?


 中世を彷彿とさせる異世界なのだから、ここは定番である塩と胡椒じゃないのかって?


 中世と言ってもかなりの幅があるし、時代と地域によっては随分と価格が変わって来るし、もしかしたら塩と胡椒が二十一世紀の日本のように数百円で手に入るかも知れないでしょ?


 その点、金は普遍的価値があるから分かり易くていいよね~。






※どうでもいい話ですが、童顔巨乳女子高生の名前は綺羅星 花冠ティアラといい、彼女は自分の事をティアラと言っています。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る