シェアして食べるプチシューを一人で食べる。

柴村きりん

20240105 浅草寺

 始発停留所から都営バスに乗って浅草寺へ。

 

 バス同士がすれ違うと、それだけでいっぱいになってしまうくらい狭い商店街を通り抜ける。昭和が漂う商店の並びに突如現れるパステルカラーのスーパーマーケットが、妙に馴染んでて面白い。

 行きかう人達もそんな感じ。なんか似てる。町並みと人が。


 浅草が近づくにつれて道路も広くなり、徐々に賑やかさが増していく。

 窓際の座席がぽかぽかすぎて、まどろみ状態のまま雷門で降りた。ここで今日を完結させてもいいくらいに、小一時間のバス旅はとても居心地が良かった。


 ごった返す雷門。

 老若男女。

 和服姿。

 半袖Tシャツに半ズボン。

 ワールドワイドな顔ぶれに圧倒された。

 たぶん私の方が外国人だ。


 人形焼きとか雷おこしを売ってるお店が少なくない?と、キョロキョロしながら仲見世通りを歩く。が、あまりにも混雑していて途中でわき道にそれた。

 遠目で見た本堂も人だかり。

 お賽銭箱に行きつくための階段も人で埋まってる。

 その光景に、階段の途中で立ち止まったらよろけて後頭部から倒れる未来が浮かんでしまう。今日はお賽銭をやめておこうか。

 でも、もしかしたら屈強な筋肉マンが後ろにいて、ラブロマンスが芽生えてしまうくらいにがっちりと倒れ掛かった私を受け止めてくれるかもしれないと非現実的なことを期待しつつ、変人と思われない程度に前かがみになって、一段一段慎重に移動していくことに集中した。


 無事階段を登りきると、今度はお賽銭をどこから投げるか問題にぶちあたる。

 遠くから華麗なアーチを描くように投げている人も多かったけど、私の場合そうはいかない。前にいる参拝客の頭に乗っけてしまう自信あり。

 なので、体を出来るだけほそくまとめて、じりじりと前へ前へと詰め寄る作戦をとった。


 お賽銭は目の前で納められたけども、大混雑の参拝客の中で心落ち着けて合掌をするなんてやはり無理で、『今年もよろしくお願いします。とりあえず健康で……』と言いかけのままその場を後にした。バタバタ過ぎる。

 押されても倒されても動じない強い人間になりたい。


 お昼は何を食べようかと迷いながらうろうろ散策する。

 SNSで紹介されていた抹茶屋さんとか、お芋屋さん、カフェもいいなと思っていたけど激混み。結局、千足通りまで歩いて見知った喫茶店に入った。甘濃いケチャップの太麺ナポリタンが相変わらず美味しい。仕上げはカプチーノで決めるチョイスは正解だった。


 お土産は和柄の足袋ソックス。

 可愛かったから家族全員分買ってしまった。

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