アイデアが浮かばない時は
みなさん、アイデアが浮かばないときがあると思います。誰しも経験があることですが、解消できる可能性がある方法があります。あくまで可能性があるです。
結論から言いますと、「気になる作品を読むのを途中でやめる」です。重要なのは未読の作品であることです。結末を知っていては今回紹介する方法は実践できません。
私自身はこの方法でうまくいったことはないのですが、プロ作家で『思考の整理学』を書いた
『思考の整理学』を知らない人に向けて簡単に説明するなら、2008年に東大、京大の大学生協の書店販売ランキング1位を獲得し、2021年時点で253万部売れた本です。内容を説明するより数字の方が凄さが分かると思ったので、あえてそうしています。
私は『思考の整理学』の存在を知らなかったので、それより前に刊行された『知的創造のヒント』しか手元にありません。しかし、内容はほとんど同じらしいので問題ないでしょう。
早速本題に入りましょう。『知的創造のヒント』の中に次のようなエピソードがあります。引用すると長いので要約です。
「すごく面白い本に出会った。あまりにも面白いので、逆に読み進められなくなった。本の序盤しか読んでないから、その後について勝手に想像できる。想像はあくまで自分のものなので、借り物ではない。自分なりの考えがまとまったので書いてみたら、面白い本の影響をかなり受けているという批評があった」
つまり、途中で読むのをやめれば、その先は勝手に想像できるのですから、自分の作品になる、ということです。
ただ、欠点もあり上述の要約のように「この作品のパクりじゃないか!」と言われる可能性があることです。ですから、うまく書けたら、続きを読んで答え合わせをしてください。主観にはなりますが、結末が大きく異なるのなら、そのままカクヨムなり公募に出しましょう。もし、似ていたら残念ですが、没です。
タイトルを見て、いざ中身を見たら「なんだ、そんな方法かよ」と思った人もいるかと思います。しかし、誰にでも効くアイデアの思いつき方はないのですから、そこはご容赦ください。むしろ、誰にでも効く方法があるのなら、私にだけこそっと教えてください。
アイデアはあるのにうまく文章化できない、という場合は自分の好きな作品を少し読んでから執筆に取りかかりましょう。同じく『知的創造のヒント』で外山先生はこのようなエピソードを披露しています。要約です。
「外国語で文章を書くときも、その直前にお手本となる英文をしばらく読んでから執筆すると、書きやすくなるように思われる。ただ、この効果は翌日になれば失われてしまう。これはグライダーのようなもので、お手本に引っ張ってもらえば、飛び上がって空を滑る。しかし、自力で飛んでいるわけではないから、やがて地上へ降りてこなくてはならない」
この理論だと「効果は一時的に過ぎない」となります。ですから、執筆前に毎回とはいかないまでも、ぼーとでもいいので、好きな作品を読みましょう。好きな作品から力を借りるのです。
ただ、これにも注意点があって、あまりにも多用すると一種の中毒になり、自分の作風が好きな作品に似ます。つまり、オリジナリティが失われます。
今回はアイデアが浮かばない時、アイデアはあるけど文章化できないときの対処法でした。必ず効くわけではないですが、試してみる価値はあります。
追記
書き手の方は『知的創造のヒント』を読むことをおすすめします。かなりためになります。東大や京大で売れた本ですから保証つきです。また、私がこのエピソード内で書いた内容はほんの一部だからです。
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