裏佰話怪談
タカヤマユウスケ
ビデオに映った2つの光について
昔、裏技を紹介するテレビ番組が好きだった。
当時小学生だった私は、日常生活の裏技と題した、今考えれば馬鹿らしい数々のアイデアを間に受けてよく実践し、母親に怒られたものだ。
中でも印象に残っているのが、テレビリモコンの赤外線を見るには、ビデオで撮影することで見えるようになる、というものだった。
そこで浅はかな私は、「幽霊がビデオに映るのも同じ理由なのだ」と友達に吹聴した。
今回紹介したのは大学生2人が出会った「眼光の怪異」だ。
夜になると猫や犬のように目を輝かせて現れ、人を驚かせる。
眼光の怪異は本体が「光」であるため、光を吸収するものの内部に潜むことで移動することができる。
今回は、ビデオカメラに撮影されることによって、その内部に潜み、再生されたと同時に外に飛び出したと考えられる。
その後大学生は逃げ出したようだが、心配はない。
眼光の怪異は主に「視認」され「移動」することしかしない。
おそらく、大学生が目でそれを捉えた直後には、それは目の中に潜んだであろう。
そして次の場所に移動する。
夜道で2つの小さな光を見た際は、もしかしたら犬猫ではなく、その怪異なのかもしれない。
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