一人蠱毒
過言
概要
・蠱毒(こどく)は、古代中国において用いられた呪術を言う。動物を使うもので、中国華南の少数民族の間で受け継がれている。蠱道(こどう)、蠱術(こじゅつ)、巫蠱(ふこ)などともいう。代表的な術式として、毒虫(ヘビ、ムカデ、ゲジなど)を同じ容器で飼育し、互いに共食いさせ、勝ち残ったものが神霊となるためこれを祀る。この神霊の毒は術を行使する前の物よりも遥かに強力であり、それを採取して飲食物に混ぜ、人に害を加えたり、思い通りに福を得たり、富貴を図ったりする。
・一人蟲毒(ひとりこどく)とは、近代怪談の一つで、都市伝説である。起源は定かではないが、比較的最近になって広まったものとされている。蟲毒を元にした呪術であり、蟲毒が「大量の毒虫」を使用するのに対し、こちらは「一人の人間」を使用する。そのため完成した毒は「人蟲(じんこ)」と呼ばれる。通常の蟲毒に比べ、自分の身を危険に晒す [1] が、完遂した場合に得られる毒物の効果はより強力になるという特徴がある。
蟲毒との類似点がほとんどないにも関わらず [2] 、「蟲毒」と呼ばれている理由については不明である。一説には、現在伝わる儀式内容は原典から大幅に改変された物であるとも言われている。
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