第14話 二度目の浮気
【山神あきらの視点】
あれからさらに時が進み、1月になった。後、1ヶ月ちょっとでカノンと付き合って1年になろうとしていた。何だかんだで楽しい日々は送れていたがいまだに夢にはナツミが出てくるし最近は自分の気持ちに嘘がつけなくなっていた。
そんな時、もうすぐ卒業だからということでサークルのメンバーとタコパをしないかという誘いがきた。約1年くらい関わってなかったメンバーたちだが大学時代、一緒に授業受けて一緒に遊んだ仲間たちだったので参加を決意した。同じサークルメンバーだからということもあり、ナツミも参加するらしい。あれ以来、連絡すら取ってないが複数人でやるタコパだし、そんなに話さなければ気まずくないだろう。そう思っていた。
久々にナツミの近況も気になったのでSNSをのぞいてみた。女友達とのツーショや遊び行った時の写真はあるが男との写真は一枚もなかった。それを見て少しほっとしてしまう自分も嫌だった。
そしてタコパの日になった。ひょんなことから俺の家でタコパをすることになったので俺は材料やお酒を買い出しに行った。オールで飲む予定だったのでたくさん買った。
結局集まったのは5人だけだったがナツミとは目が合うとそらしてしまったし、話は一切していなかった。順調にお酒も入り、盛り上がっていたが夜通しでDVDを見ないかという案が出て家から少し離れたレンタル屋に行こうと話になった。5人中、お酒を入れてないのは1人だけだったのでその人が車の運転、もう一人は付き添いで家を出て行った。
家には俺とナツミ、そしてもう一人の男友達が残った。
(3人でも気まずい、、)
そう思ったが必死にお酒の力で場を回していた。そんな中、男友達が急用できたと言って帰ってしまった。
まさかの俺の家にナツミと二人きりになってしまったのだ。
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その時、カノンからきていた「ごめん!家に忘れ物しちゃったから今から取りに行くけどいい?」というラインにあきらは気づかなかった。
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あきらの家にナツミとあきらが二人きり。非常に気まずい空間が流れていた。あきらはこのままだとダメだと思い、重い口を開いた。
「久しぶりだね。二人きりになるの。最近どう?」
「楽しいよ。あきらは?」
「俺も楽しいよ。」
「そっか。彼女さんとはまだ続いてる?」
「うん。凄い上手くいってるよ。ほぼ毎日会ってる」
ナツミと別れても楽しい生活ができているんだ!そう思わせたかったのだろう、あきらはいつもより大げさに答えた。
「ナツミは?新しい彼氏とかできた?」
「彼氏はいないな。でも彼女はできたよ最近。凄く私に寄り添ってくれる良い人」
(そうだ。ナツミってバイだったっけ。もしかしてSNSに載ってたツーショって彼女だった?)
「そっか。良かった楽しそうで。」
口ではナツミの幸せを祝福していたが心は正直だった。
(俺といた時より楽しそうだ。何で。何で俺はナツミを幸せにできなかったんだ。)
そしてお酒の力で理性を失っていた部分もあったのだろう。あきらは自分の気持ちに正直に答えてしまった。
「嘘。良くない!」
「え、?」
ナツミは驚いた表情をした瞬間にあきらはナツミにキスをした。そしてそのまま抱きしめて言った。
「やっぱり俺、ナツミが好きなんだ。戻ってきてよ、、」
約1年間、理性で隠してきた気持ちは本人を前にするといとも簡単に表に出てしまった。
外は雨が降っている。雨の中、あきらはナツミを抱きしめ続けた。
その時、家のドアが開いた。
忘れ物を取りに来たカノンだった。カノンはあきらとナツミが抱き合ってるのを見てしまっていた。
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