第6話 それぞれの思い

【山神あきらの視点】

あきらは家で必死に言い聞かせた。

(今日のは気晴らし。浮気じゃない。後輩に相談乗ってもらっただけ。俺が好きなのはナツミ。俺の彼女もナツミ。もう今日みたいなのは終わりにしよう。)

そう思ってナツミにラインを返した。

しかし、後輩のカノンとのカフェを思い出して「楽しかったな…」と呟いた。

______________________

【松本ナツミの視点】

ナツミは帰り道、また元カレに遭遇した。もちろん無視したが元カレが腕を掴んできた。

「本当にごめん!俺マジで反省してる。だからさ、もっかい俺のとこ戻ってきてよ。もう絶対浮気なんてしないから」

「あのね、ラインでも言ったでしょ。私、彼氏いるの」

「じゃあその彼氏といて幸せ?俺のこと好きだった時より好きだって言える?」

そう聞かれて一瞬、ナツミは口を閉じた。しかし、すぐに元カレの手を振りほどき、その場を後にした。

「戻ってこいよー!」

元カレはナツミの背中に向かってそう叫んだ。


夜、ナツミは布団に入りながら(何で一瞬躊躇っちゃったんだろう、、)と考えた。


______________________

【中村カノンの視点】

カノンはバイト先の先輩にあきらに告白したことを話していた。

「やっぱり言わない方が良かったですよね、、

混乱させちゃいますし。でも言いたくなっちゃって。悩んでるあきらさん見たら力になりたいって思っちゃったんです」

______________________

【山神あきらの視点】

あきらの元にナツミからラインが届いた。

「ごめん!バレンタインデー、会う予定だったけど選考入っちゃって前日の2/13でもいい?」

バレンタインの日は別の人と会いたくなったのか?と少しの疑惑は持ちつつ、あきらは「いいよ」と返信した。

ナツミから「ありがとう!好き」と返信が返ってきた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る