回想4


 データ収集作業は何千万、何億とあるデータベースのレコードから、タスクに関係のありそうなものを引っぱってくる。


 元同僚はこれが上手だった。

 超高精度光学式判定眼を使ってAI顔負けの速度で整理を行っていく。

 彼は若手のホープと呼ばれていて、ずっと無遅刻無欠席無ハサミだった。


 だが、人間性を捨てきれなかったことが彼の限界だった。

 父親からの形見の品だった旧式の演算回路を何とかメンテしつつ使っていたようだが、増え続けるタスクを耐えきることが出来ず発火。


 あいつの頭は空気を歪ませるほどの高熱を発しながら、黒ずんでいった。

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