卒業2


 卒業式の帰り、俯きながら帰ると野良のネコが一匹いた。

 気怠げに歩くそれに俺をはじめ卒業生一同が殺意を抱いた。


 皆が近くにあった石や枝を思いきりやつにぶん投げた。

 それが逃げていったので遮二無二しゃにむに追いかけた。

 こっちは逃げられないっていうのに抜け駆けなんて許さねえぞと、ポケットサイズのロケットブースターを使って追いついた。


 石を振り上げようとした途端、脳内にタスクが降り注いだ。今みたいな馬鹿げた数じゃないけど、それでも二桁はあった。


 始まったんだ、畜生、畜生、畜生。

 皆、棒立ちのまま思い思いのタスクを消化していく。


 とっくにネコはいなくなっていた。

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