第8話

「お前、春さんやみんながどれだけ苦しかったと思うんだ」


「・・・だからぁ」


俺の話を遮るように、ヒロは頭も壁に押し付ける。


痛い、気絶するかと思った。


「いい加減にしろ。これ以上、今の嫌、本当のお前を見て嫌な思いをしたくないんだ。黙っててくれよ」


ヒロはそう言って先に戻る。


「酷いよなぁ」「お前も辛かったろう」


叩かれたのは俺なのに、ヒロを励ます。


まるで責めたやつの方が悪かったかのように・・・


「・・・」


そして、教室を見て俺と視線を合わせる度に軽蔑した視線を向けて来る。


なんだよ、これ、何だよこれ・・・


俺は走った。耐えられなくなって教室を出た。


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