彼女に捨てられた男

狼男

第1話 彼女に捨てられた男

 私は、彼女の優子に振り回されていた。

出会ったきっかけは大学のサークルだった。向こうから声をかけてきてくれて、そこから意気投合して仲良くなった。

 お互いにプレゼントを交換したこともあった。一緒にアーティストのライブに参加したこともあった。卓球をしたり、カラオケに行ったりもした。

彼女がつらいときは、家で慰めて上げたこともあった。それなのに、彼女はわがままだった。遅刻やドタキャンを何度もする。息を吸うように嘘をつく。

容姿端麗だからこそ、もったいない。天は二物を与えずというのか。何度も遊びの約束をするのだが、待ち合わせの指定が下手なのだ。

お金を持っていなくて、払わせることもあった。

テストのときに、レジュメをコピーさせてくれということもあった。私はそれでも我慢していた。

彼女のためなら、どんなに尽くすこともできる。

そんなときに、彼女に好きな人ができて別れることになった。

今までの日々が嘘のようだ。

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