【KAC2024/三分以内】おとなし男子の悪役転生!ヒロインとか興味ないので筋トレしてたのに、家族が破滅フラグを立ててしまうみたいです。

弥生ちえ

三分以内の攻防


 俺には三分以内にやらなければならないことがあった。


 王妃様に危険が及ばない場所まで、彼女を運ぶこと――稀代の悪人ブラックマン伯爵の手から王妃様を助けることだ。


 俺はひた走る。月明かりが僅かに差し込む王城の渡り廊下に、カッカッカッと床を踏み鳴らす、ヒールの固い音を響かせて。




 王様が隣国との合同軍事演習で、城を留守にしている今夜――常に権力と財力の拡大を狙うブラックマン伯爵は、この日を好機と捉え、この国の最高権力の一翼を葬り去ろうと動いた。


 狙うのは、軍部を引き連れ、強力な護衛に守られつつ隣国に接する辺境へ赴いた王様……ではない。王城に残る王妃様だ。


 彼女を葬り、手の内の者を国王の後添えにさせようと画策しているのだ。


 既に第一の矢は放たれ、王妃には致死の呪いが掛けられてしまった。ブラックマン伯爵の家宝「3分間ヌーベル」で操られた魔導士によって。だが彼は、魔導士らしく抵抗し、伯爵が即死の呪いを掛けさせようとしたところを、朝日が昇るまで効果を発揮しない致死の呪いに留めた。


 とは言え、王妃様の命が危ういことには変わらない。さらに伯爵は、確実に王妃様の命を奪うべく、この王城内に何人もの暗殺者を送り込んでいる。


 物音のしない薄暗い城内のそこここには、親父の息のかかった腕利き暗殺者らの気配が潜んでいる――はずだ。筋トレばかりしてきた俺に分かる訳はない。だが、俺はその悉くから、王妃様を護らねばならない!


 俺の破滅フラグ回避をするために!!





 初めましての皆様のために、ちょっと自己紹介しておこう。


 俺ことヒロイキ・アークドールは、泣く子も黙る、どっかのマフィア顔負けの黒い噂のたえないブラックマン伯爵家の長男だ。親父の妾の一人から生まれた。


 そしてこの世界は、俺が前世、命の灯を落とす寸前までのめり込んでいたギャルゲー『ラブ☆きゅんメモリアル~ファンタジック学園編~』そのものだった。ついこの前の入学式で、その事実に気付いた俺の驚愕を分かってくれるか!?


 ただゲーム世界の住人になったのなら、攻略対象たちに会えるのが楽しみで仕方なかっただろう。けど俺の役どころは、数多の婦女子とキャッキャウフフとハッピーライフを謳歌する「ヒーロー」……ではなく、「悪役」兼「当て馬」だったんだ!!


 悪役を育てるのに相応しい毒親っぷりを遺憾なく発揮してくれたアークドール伯爵のお陰で、小さい頃から食うに困り、体罰に悩まされ、流血沙汰を飽きるほど見せられた俺に、更なる追い打ちとかひどすぎねぇ!? そりゃあ、荒んで悪役になっちまうぞ! リア充爆発しろってな!!


 だが俺は、前世から引き続いてのとんでもないコミュ障で、女子どころか同性でも陽キャは無理な大人し男子だ。「筋トレ」だけが友達のシャイボーイだ。





 その俺が、王城の長い廊下を、床を引きずるくらい長く、ヒラヒラしたスカートをたくし上げて全力疾走している。首にかかる長い後れ毛が汗で張り付いて気持ち悪いし、結い上げた髪も意外に重量があるから、疾駆する身体の重心を狂わされて厄介だ。


「待て! 貴様、母上ではないな!!」


 角を曲がったところで鋭い声が投げつけられ、待ち構えていた誰かが急に目の前に現れた。


 やばい! やばすぎる!! 今の俺の姿は、誰がどう見ても、この国の王妃様なはずだ。その俺に「母上・・ではないな」なんて呼び掛ける人間なんて、もの凄ーく限られている。


 しかも、今のは俺の知っている声だった。


「答えろ。お前は何者で、何故母上の姿をとっている?」


 詰問する声までもが、透き通った天上の音楽のごとき美しさだ。凛と通った声は本当に空の彼方まで響いているんじゃないだろうか……。ああ、やっぱり現れたのはボンキュッボンの超メリハリ女神、同級生でもあるクリスティアナ姫だ。


「何とか言ったらどうだ!? そこまで精密に母上の姿をとるなど、ただの賊にしては有り得ん完成度の高さ。可能とするのは名の通った一握りの魔導士――いや、物の怪の類か?」


 冷え冷えとした鋭い視線までもが氷の女神クールビューティ! いや、喜んでる場合じゃない。今は、こんなところで止まってる場合じゃないんだ。よし、思い切って、本人らしく話して見せよう。だって本人の声しか出ない仕様だからな!


「―――……ぉかぁさまょ?」


 ズガン


 答えた途端、俺の腰のすぐ脇の壁に、姫の振り上げた足による壁ドン……いや、ヒールによる壁の破砕が決まった。


「寝言は寝てから言うんだな。お前は姿こそ母上だが、立ち居振る舞いは全くの別人。この国で最も高貴なる女性に似せるのも烏滸がましい、気品の欠如! 何とか言ったらどうだ! このメス豚が!!」


 クリスティアナ姫が片足を壁にめり込ませて、獰猛な笑顔で俺を心身ともに壁際に追い詰めて来る。


 え!? 姫じゃなくって女王様だった!??


 新たなる気付きと共に、何故か『きゅぅん』と胸が締め付けられて、同時に『トゥンク』と鼓動が高らかに跳ねる。え? どうしよう。俺、胸が変なんだけど、死んじゃうの!? いや、破滅フラグ折りに来てキュン死になんて冗談じゃないから!


 姫が上げていない方の脚側から、身を捩って逃げ出そうとするが、今度は手を壁に突いて退路を断たれる。


「逃がすか!」


「―――!!(ち、近っ)」


 お陰でクリスティアナ姫との距離が、彼女の腕の長さよりも間近に迫り、俺の鼻腔にも高貴なる香りがズガンと襲い掛かって来る。頭がクラクラしそうだ!!


 だが俺には、破滅フラグ回避の尊い志がある!


 正気を保て、俺! これはトラップだ! 見ろ、彼女の護衛が近付いてきているぞ!! 一時のエロや興奮のために、人生を棒に振ることは出来ないんだ!!


 さらば、高貴な薔薇のめくるめく甘さを重く湛えた芳香よ。俺はこの先も永らえるためにこの尊き壁ドンを自ら放棄し、耐え難い犠牲を払うことを宣言する―――――!!!



 ばさ



 呼吸を整えた俺は、豊かに波打つ布の塊を一気に頭上へと捲りあげた。


 ヒールを壁にめり込ませている姫の脚を、絶妙なバランスで覆い尽くしていたスカート。それが華やかに宙を舞って、その場に居る俺以外全員の視線を釘付けにする。


「―――っっっ!!!」


 顕わになったクリスティアナ姫の生足――。


 姫は声にならない叫びを上げてしゃがみ込み、護衛達は尊き女性の脚を見るわけにはいかないと顔を逸らし、あるいは臥せる。


 その隙に、俺は今度こそ彼女の脇をすり抜けて、疾駆を再開させる。





「まずい……3分までもう、時間が」


 ぜいぜいと喘ぎながら呟く俺の意識がどんどんと、遠ざかって行く。


「待て!!」


 立ち直ったクリスティアナ姫らが、追い駆けて来る。


 残された時間は僅かだ。


 魔法の効果が切れるのが先か、それとも姫らに取り押さえられるのが先か――。それでも俺は成し遂げなければならない。破滅回避のために!!





 そして俺は、許された三分以内で目的地に辿り着くことに成功した!


 ガンガンガン


 王城の外れに造られた、荘厳な白亜の建物。その黄金に輝く大扉を、俺は渾身の力で叩く。


 やっと辿り着いた目的地。そこは、王都の中でも最も聖なる守りの強い、この国を護る最高神の祀られた神殿だ。


「はぁぃ、こんな夜更けに何ですかぁ?」


 すぐに女の子の高く甘い声が聞こえた。けれど深夜の訪問者に対する警戒心の現れか、大扉の向こうに厳つい神官が入り口に立ち塞がったまま、僅に開けられただけだった。


 まずい、この神官を説得するスキルなんて俺は持ち合わせちゃいない! 救いを求めて、覗き込むとふわふわの綿菓子みたいな銀髪が見えた。


「はわわわわわっっ! どーしたんですかっ、これは!! 死にかけてるじゃないですかぁっ」


 平民聖女は一目で俺の状態を看破したらしい。彼女が神官の壁を押しのけてこちらに踏み出して来る。ここまで来れば大丈夫だ。後は聖女ユリーナが、王妃に掛けられた呪いを解いてくれるだろう。


 ここで、丁度三分がやって来たみたいだ。




 意識が遠ざかる中、二人分の柔らかな声が聞こえた――


「こんなになって、大変でしたねぇ。明日学園で、いーっぱい癒してあげますねっ」


「この不届き者が。困ったことがあるなら言えと、いつも学園で声を掛けているというのに。まったくもって目を離せん、困った奴だ」


 ――気が した。



       * * *



 翌朝、我が家では親父の怒号が響き渡っていた。


 喚く親父ことブラックマン伯爵の口許は、油ものを食べたみたいにテラリと光り、顔もいつも以上に脂ぎっている気がする。


「……(朝からまた使ったのか)」


 俺は、昨日初めて摂った魔法道具マジックアイテムの姿を思い出して、ウプと口許を押さえた。


 我がブラックマン伯爵家には、他人の三分を奪う魔法道具マジックアイテムが家宝として、伝わっている。親父は昨夜の首尾を確認するために、また誰かに成り代わって王妃様が健在なことを知ったんだろう。



 我がブラックマン伯爵家暗躍の歴史の影には、家宝「3分間ヌーベル」の存在がある。その名が示すように、3分間だけ新しいヌーベル体験を可能にする魔法道具マジックアイテムだ。代々家長に引き継がれるこの家宝は、一見何の変哲もない真鍮製の脚付き酒杯ゴブレットなのだが、なんとこれに熱々のお湯を注ぎ、願いを込めて待つと、中から何本もの縮れた長い触手がニョキニョキと溢れ出す。ハッキリ言ってグロい。


 だが、そのビジュアルへの嫌悪を乗り越えて触手を摂り込めば、3分間だけ望み通りの他人の意識を乗っ取って、動けるようになるのだ。


 勿論、そのように強い魔法道具マジックアイテムだから、使用による反作用は起きる。多量の縮れ麵――いや、触手を取り込んだことによるカロリー過多だ。


 ブラックマン伯爵は、俺が物心ついた時から、でっぷりと太っていたが、「3分間ヌーベル」を摂取し過ぎた影響であるのは間違いない。一体どれだけ食ったんだ!?


 そのおかげで、我が家の犯罪歴は、裁かれることなく、大小様々な悪事を繰り返して、暗澹と延び続けている。破滅フラグを回避したいのに、実家がこれじゃあヤバ過ぎる。


 ――だから最近の俺は、邪魔できそうな犯罪は、ひっそりと妨害することにしていた。



       * * *



 破滅フラグ回避の大仕事を成し遂げた、清々しくも、疲れて眠くてたまらんしんどい学園への登校時刻。


 俺はいつも通り、学園の正門をくぐったメインストリート……の端を、ひっそりと進む。


「昨日は筋肉仮面様、出なかったの?」

「新聞には筋肉仮面様情報は無かったなぁ。珍しい」

「そいえばねっ! 町のパン屋さんが、ほうれん草と鳥むね肉を挟んだマッスルパンを出したって」

「うそ! 一緒に行こうぜ!」


 朝から放課後デートの約束をするリア充に、怨嗟の視線を向ける……気概もない。だから俺はひっそりと俯いて、こそこそと並木の側を進む。


「きゃわわっ!」


 頭の上で、素っ頓狂な声と一緒に、バキバキっと枝が折れる派手な音がして、気付けば、反射的に前に突き出した両腕の間に女の子がスッポリと収まっていた。


 平民聖女は、いつもナンでココデ降ッテ来ル??


 ポカンとする俺の腕の中から、頬を染めて聖女が飛び降りても、俺の思考回路はフリーズしたまんまだった。


「んもぉ、ヒロイキ様ったら、あたしにナニか言うことがあるんじゃないんですか!?」


「……(ここに立っててごめんなさい。美少女の前に不用意に表れて、身の程を弁えずごめんなさい)」


 言いたいけど、俺にケモミミ少女も尻尾巻いて逃げ出す天使系美少女に口をきけと!? いや、無理無理無理無理!!


「むぅぅーん。なんだかとんでもないカンチガイをしてる気がしますねぇ」


 ぷぅと両頬を膨らませて、うるうるの大きな瞳で上目遣いに俺をのぞき込んでくる。この天使は、本気で俺を天に召そうとしているんだろうか。心臓がマリアナ海溝に放り込まれたみたいに、きゅぅぅぅぅっと……いや――


「死ぬ」


 言葉にするつもりはなかったのに、心情がそのまま口に出ていたみたいだ。


「死ぬとは何事だ!? ふむ、怪我はないようだな。あまり心配をかけてくれるな」


 気が遠くなりかけた俺の目の前に現れたのは、いつも通り学友を引き連れたクリスティアナ姫だ。この学園内では学園長に次いで高い地位を持ち、学園生ながら風紀と規律の番人の役割も担っている。そんな彼女だから、学園内で要らぬ人死に騒ぎを起こそうとした俺に注意しに来たんだろう。


「……ごめ(ついでに昨日のスカート捲りも)」


 ぼそぼそと口ごもる俺の僧帽筋に、小さいほっそりした手が気遣わしげに添えられる。


「昨夜のことは私とお前の秘密だ」


 笑いを含んだ甘い声が至近距離で響いて、俺の僧帽筋から離れたお姫様の手が、指差す形を作って大胸筋を指先でツンと突く。なんだこれ、なんの秘孔を突かれたんだ!? 突かれた点が、きゅぅぅぅぅんと熱いぞ――! いや、今度こそ俺、死ぬんじゃね!?


「お前の行いを公に出来ないのは業腹だが、必ずやその働きに報いがあると信じているぞ」


 ボソリと、そう耳元で囁いてお姫様は離れて行った。


 え? え? スカート捲りしたのが、……王妃様を操った俺だってバレて、断罪されちゃうの、俺?


 すぅぅっと血の気が引いていく。気が遠のいて行く。ふらつく俺に聖女ユリーナが駆け寄って、腹直筋に体当たりし、両腕を俺の脇から脊柱規律背筋に回してガッチリと固定する。バックドロップされるのか!?


「あぁぁっ! ヒロイキ様、大変ですぅ! すぐにあたしが癒しますからねっ。お疲れだった昨夜の約束を果たしますよ!」


 殊更大きな声で叫んだ彼女に、登校する学園生らの視線が集まる。なんだかとんでもなくザワついている気がするのは、天使の如く愛らしい聖女様と、筋肉不愛想なモブ男が至近距離に居る不敬に対しての、嫌悪って奴だろう。


 貴族ははっきりものを言わないから恐ろしい。これも後々ボティブローみたいに効いてくる、破滅フラグへの積み立てなっちまうから恐ろしい……。


 どうしたら良いんだ―――!!!


 硬直しながら、走馬灯のように流れる俺のバッドエンド(ヒーローらがハッピーエンドを迎えるエンディングで流れる、俺の断罪後の画像)を思い起こしていると、急にふわりと身体が暖かくなった気がした。


 あ、そうだ。俺は平民聖女ユリアーナにバックドロップされるんじゃなかったのか? ならこの幸せな浮遊感は、俺の身体が宙を舞ってる感覚なのか――


「はいっ。癒しの、ぽかぽかハグ魔法完了ですぅ!」


 ぐはぁっ!! 密着しながらの上目遣いに、頬を桃色に赤らめてのペロリと舌出し!! なんて三段攻撃だ!! しかも肉体攻撃を受けるかと身構えていたところに、俺みたいな陰キャには抵抗力もなく、受け止めることも出来ない精神攻撃を仕掛けてくるとはぁぁぁ!!


 昨日の仕返しなのか!? 王妃様の恰好をして、夜中の筋肉の育成に必要な睡眠を邪魔したのが、俺だと分かっていての報復なのか!? おっ……恐ろしい娘だ!


「なっ……! ユリーナ様っ、何度言ったら分かるんですの!? 聖女の立場にありながら、そのように婚約者でもない殿方に馴れ馴れしくなさるなんてはしたないですわ!」


 俺が戦慄いていると、いつも通りの攻略対象女子が更に近付いてくる。見ずとも分かる、この世界の主人公『あああ』の婚約者であり、魔術師団長の娘ソルドレイドだ。破滅フラグ回避のため、メイン攻略対象には極力近付きたくない俺に、彼女らは何故か魔境に踏み入る戦士の如く近付いてくる。くっ……、これも悪役を排除せんとする世界の強制力ってやつなのか!? この世界はどうしても悪役の俺に破滅フラグを乱立させて、俺を潰したいのか!?


「クリスティアナ姫だってしてたですぅー!」


 平民聖女ユリーナと魔術師団長の娘ソルドレイドが、次々に手を伸ばして俺の上腕二頭筋を掴もうと迫って来る。


 登校する生徒らが遠巻きに見守る人垣の向こうには、やはりいつも通り現れる主人公『あああ』が、必死の形相でこちらに猛ダッシュして来るのが見える。


 主人公に断罪される俺を想像して固まっていると、ソルドレイドが俺の視線の先に居る婚約者の姿に気付き――「風の偉大なる精霊シルフよお力を。突風よ唸れ」と唱えて、立てた指先を『あああ』の足元に向けてスッと振る。彼に追い風を吹かせて、脚が早まるよう魔法で後押ししたんだろう。


 終わった……。俺はここで彼女たちに拘束されたまま、辿り着いた主人公に、今度こそ断罪されてしまうんだ。


 頬を静かに涙の筋が伝うのを感じていると、ユリアーナとソルドレイドが息を飲んで拘束が弱まった。さらに人垣がざわつくから、そちらを見遣れば、後押しする魔法が強すぎたのか、主人公がひっくり返って藻掻いていた。


 神はまだ俺を見放していなかったーーーーーー!!


 朝の腕立て伏せで、角砂糖を運べなくて困っていた蟻さんの手伝いをした善行が、神様の琴線に触れたのかもしれないぜ! 悪役の俺に、偶然巡って来た数少ない好機! これを逃すわけにはいかない。


 取り敢えず、まだ何か言って上腕二頭筋に触れてこようとするヒロイン達と、ようやく立ち直ってこちらに向かってこようとする主人公からは、猛ダッシュで逃げた。


 ヒロイン達の声が更に俺を追い掛けてくる。


 俺の『ラブ☆きゅんメモリアル~ファンタジック学園編~』悪役生活はまだまだ続く。気を抜けば、今地面から憎々し気な視線を送って来る主人公に断罪されて僻地の強制収容所送りになるか、男娼に堕とされるか……とにかくゲーム通りならロクでもない未来が待ち受けている!!


 事あるごとにゲーム補正が働く学園生活を無事に過ごす事が出来るのか!?






 俺の穏やかな筋トレライフの破滅フラグ回避生活は、終わらない。

 今回は、筋トレ控えめだったけどな!







《完》

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