ピスケスとジェミニのプレイヤー#4

小太刀を逆手に持ち、宙に浮かびながら体を軸にして回転しだし、やがてストームのような暴風を生み出す。


すると暴風の中から飛翔する斬撃が現れ、次々と鬼龍達に襲いかかる。


満身創痍の鬼龍に直撃する刹那――






サポートアクション『アクセル』


「ウォ!?」


「――ッ!?」


迅速の速さで駆けつけたレオーによって2人は引っ張られ、2人は事なきを得る。


カンバーは何者の仕業ぞと周りを見ると、ディスクにプレイヤー情報が出てきた為、すぐに理解する。


ここでラミィのディスクに鬼龍から無線が入る。


「どういうつもりだ?何故俺達を助けた?」


「ゲームに番狂わせはつきものさ」


「ほぅ、こんなところに他のプレイヤーがいましたか、それも最初にプレイヤーキルを果たした貴方が」


「いいでしょう、それらを庇うと言うのであれば、先に地獄に行って待っていなさい」


「誰をだ?お前をか?」


「……フッ」


すると2体のピスケティーナが、ラミィとレオーの双方に襲いかかる。


鬼龍は自分達のことは放っておけと言うが、レオーはマスターの命令だからとその言葉を無視し、未だ続くアクセルの効果で迫り来る1体のピスケティーナの腹部を蹴り飛ばし、すかさずラミィに迫っていたもう1体も回し蹴りで吹き飛ばす。


吹き飛ばされた衝撃で若干痛みで顔がひきつるが、不適な笑みを溢すカンバー。


彼のHPは8000/7250にまで減っていた。


「コレが痛みか、フッフッフッフ」


彼の異様な姿と言動にドン引きしていると、2体のピスケティーナがカンバーの左右に移動する。


その行動を見て鬼龍は焦った声でラミィ達に忠告してきた。


「気をつけろ!来るぞ!」


それに対し疑問に思いながら身構えていると――


サポートアクション『ピスケストレンジ』


発動した瞬間、2体のピスケティーナが光り始め、何と4体にまで増えていたのだ。


「俺達もアレにやられてたんだ」


ラミィ達が驚愕していると、4体のピスケティーナが一斉に襲いかかってきた。


すかさずレオーはラミィを守る体制へと入り、安全な場所まで隠れるように促し、4体同時に相手をする。


……だが、多勢に無勢。


やはり数の暴力に抗えず、攻撃をまともに防御しきれなくなり、建物の壁を貫通して地面へと激突する。






「グッ!!……レ、レオー!!」


4体のピスケティーナはまたカンバーの元まで戻り、その隙にラミィはレオーの元まで駆けつける。


「だっ大丈夫か!?」


マスター……」


「余興はこれぐらいにして、そろそろ終わりにしましょう」





「このわたくしを差し置いて勝手な抜け駆けは許しませんわ」


カンバーがディスクからカードを引こうとした瞬間、第三者が灰暗い空から渦を巻くように姿を現した。

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