君へ
夜猫子
竜
空に広げた大きな翼は
大地を蹴って
太陽に透かして
洗われるだろう
翼は空が似合うのだ
己のために
空を望めばいいのに
どうして
大地を見下ろしたの?
どうして
太陽になろうとしたの?
君は
翼を折った
黄金の環が輝く
それは太陽よりも美しく
君の心は鋼
それはダイヤモンドよりも美しく
誰からも望まれている
摘み取った花で
君のドレスを飾ろう
花の冠をあげよう
君は美しい
ああ
君が風を纏う
花を散らして
ドレスを飾るのは
千切られた花と
ドレスかな
君は
ドレスを捨てた
君の輝きは永遠に
星のごとく
誰もが君を望んだ
闇の中の光のように
誰もを照らしている
導かれる
理想郷
君は
多くを照らそうとした
誰も迷わぬように
誰も置いていかないように
ああ
眩しくて
誰もが
眼がくらんだ
君の星は
誰もが塗り潰した
君の頭上に金環を
君の胸に鋼の鎧を
君の足元には赤の絨毯が
広がっていく
私の胸には槍が
君の胸には剣が
さようなら
眩しい君
さようなら
私の理想
君は歩くだろう
赤の上を
君は癒されないだろう
汚れきって
君は叫ぶだろう
後悔か 自責か 困惑か
私には知る由もないけれど
君は
何を望んだの?
翼を捨て ドレスを捨て
星が潰されても
君が歩き続けたのは
なぜ?
私が知るのは
君がいつか 戻ってくること
輝きと共に
私が願うのは
輝きよ永遠に
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