異世界食レポ!~現地の料理店を冒険しながら紹介~トラ顔紳士の食レポブログ
めしめし
1店目「ギルドの酒場」
みなさんこんにちは!
今日から食レポ記事を担当するトラ顔紳士と申します!
近年。異世界居酒屋や異世界洋食レストランなどの今までに無かったお店が増えたことによって、昔から親しまれてきた料理屋さんが店を閉め始めました。
異世界の料理屋さんばかりが注目されていますが、伝統のお店や魔獣肉を使った料理屋さんが劣っているわけではありません。
この食レポブログを通して、そんなお店にも再注目してもらいたいと思います。
それでは、早速記念すべき一軒目のお店を紹介しましょう!
今回ご紹介するお店は、みなさんご存じ冒険者ギルドの中にある酒場です。
名前は……えっ、無いの?
どうやらそのまま「ギルドの酒場」と言うらしいです。
冒険者が持ち寄る素材の余りを捨てるのがもったいないということで、ここのギルド長が設立したらしいんですね。
冒険者が御用達のお店でいつもごちゃごちゃ……もとい、繁盛しているようですよ。
この店ではメニュー表はなく、料理の内容はその都度変わるようです。
元々は冒険者の持ってきた素材の余りを、料理店に卸していたようですね。
それでも受け取ってもらえなかった素材を、ギルド職員で処理したり調理していたようです。
それをギルド長の発案で、冒険者に提供したら大当たり。
現在の形態となったようです。
また、ここで提供される飲み物の多くは、ウメーディで卸し業を中心に幅広く活動するモルジー紹介。
特に魔獣肉に合わせたモルジーエールが絶品です。
まずはモルジーエールで喉を麗します。
フレッシュベリーのような酸味のある甘みとホップの芳醇な苦みが特徴です。
常温で保存しているので、香りが立ちやすく、この豊かな香りが食欲を誘いますね。
このお店のおすすめは、【魔獣肉の盛り合わせ】二銀貨です。
この料理は冒険者が納品した素材の余りを調理して出しているようです。
そのため日によって肉の種類・部位・味付けが変わるのですが、どんな素材でも料金は同じ二銀貨となっています。
高価な素材の日もあれば、そうでも無い日もある。
当たりはずれの要素が大きいらしいですね。
今日は、
野獣肉の盛り合わせ 二銀貨
・キャタピラーアントのグレインソースがけ
・オークのスペアリブ・ワイン煮込み
・蒸しワイルドウルフ
でした。
キャタピラーアントはウメーディ近隣に出現する全長1メートルほどの虫型の魔獣です。
胴体は芋虫のようにぷっくりしていますが、頭は胴体に比べてかなり小さいです。
胴体部に多数の関節があることが特徴で、芋虫のように様々な角度に体を捻ることがで出来るそうです。
頭や骨格は硬い骨や筋肉ばかりで食べるところが無いですが、胴体部は脂身が豊富で濃厚な甘みと旨味が特徴ですね。
実はキャタピラーアント専門の料理人がいるくらい、ウメーディでは定番の魔獣食です。
今回はそのキャタピラーアントの肉を、グレイビーソースのような濃厚なタレで絡めてあります。
たっぷりの香辛料と丁寧な下処理をしてあるので、臭みはほぼゼロ!
キャタピラーアントの濃厚な旨味を丸ごと楽しめる料理です。
味変として置かれているクリンという香辛料をひとつまみまぶせば、ビリっと辛味も加わってさらに複雑な味わいになりますね。
クセの強い食材を、うまく臭みを取ってまとめてある印象です。
また、これがエールに合うんだわ!
続いての料理はオークのスペアリブ。
定番のオークの肉を骨がついたまま、豪快に丸焼きしていますね。
驚くべきはその大きさ!
なんと僕の顔ぐらいあるんですよ!
脂身までこんがり焼かれた肉は、脂とソースの照りで見るからにテカテカしていますね。
酸味の効いた香りが漂ってきます。
少しでもさっぱりさせようと、柑橘系の酸味もソースに含まれているようです。
ただ、これだけのボリュームと脂身なら付け焼き刃のような気がせんでも無いのですが……。
この料理はフォークやナイフは不要。
そのまま手に持ってかぶりつくだけですね。
周りも皆さん同じように豪快に食べています!
これぞ冒険者酒場ってやつでしょう.
スペアリブは簡単に噛み切れるほど柔らかくて
、噛んだ瞬間から脂身の甘みが肉汁と一緒に溢れてきました!
それでいてしつこくなく余韻も長い。
肉質自体もこれがオーク?と尋ねたくなるほどきめ細やかで、繊維の一本一本にしっかりと味わいがあるようです。
実はオークの下ごしらえに工夫を凝らしているようです。
そのままでは肉質が硬いオークの肉を、何度もモーニングスターと呼ばれるメイスで打ち付けているようです。
本当か嘘かは分からないですが、モーニングスターから発する聖なる気が、オークの邪悪な部分を和らげているとのこと。
邪気の取れたオークは生まれたばかりの子羊のように柔らかくなるらしいのです。
そのオークの肉をたっぷりのワインと香草入りの調味液に浸けて三日間。
そのオークの肉を骨ごとオープンで六時間ほどローストして完成です。
手間暇かけ過ぎでしょ!
最後は蒸しワイルドウルフです。
ワイルドウルフは狼科の魔獣で、鋭い牙と爪が特徴です。
単独で行動することは稀で、常にグループで狩りを行います。
一度噛みつかれると、どんなに引き離そうとしても決して離そうとはしません。
通常はウメーディから離れたノースエリアに生息するのですが、どうやら数体がウメーディ近辺に迷い込んだようです。
そのままでは臭みのあるワイルドウルフの肉を、フォレストブルから取ったミルクで丁寧に洗っているようです。
その後、臭みの元となっている脂肪部分をじっくり蒸して落としていますね。
最後に臭みを緩和するテンプリューと呼ばれるハープが溶け込んだタレにさっと通して食べます。
確かにあっさりしておいしいのですが、それでも硬くて少し獣臭も感じました。
個人的にはピリ辛な味付けで食べたかったように思いますね。
もちろん、これらはどれもエールと好相性!
料理としてもお酒のアテとしてもぴったりです。
ごちそうさまでした!
店名:「ギルドの酒場」
予算:四銀貨~五銀貨
店の雰囲気 ★★★★☆
店員の対応 ★★★★☆
料理の味 ★★★★★
コスパ ★★★★★
バラエティ ★★★★☆
総合評価 ★★★★☆
★☆★☆
作品をご覧いただきありがとうございます。
この作品は、異世界食レポ!~現地の料理店を冒険しながら紹介~のブログ編です。
本編もお読みいただけると幸いです。
もちろん厳しいご意見も随時受け付けております!
皆さまの応援が力となりますので、ぜひとも応援をよろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます