第35話 睡眠


 そして両手を目の前に持ってきて祈りを始める。

 

 「あぁ…私の村を救ってくださってありがとうございます……」

 

 そんな村長をみて村人たちもつられて声を上げて泣きだす。

 

 村長の家周辺は感謝の声が鳴り止むことは無かったのだった。

 

 その後、私達はクエスト完了の証拠になる紙を村長から貰い、村を守る結界の元に行く。

 「ここも直しておかないとね~」

 

 レズリタは回復した魔力を使い村の結界を回復させる。

 

 「これでしばらくすればすぐに元に戻ると思うよ」

 

 そうレズリタが言うと村人が安堵の表情を見せ歓声を上げる。

 

 「ありがとうございます! お二方のおかげで村は救われました!」

 

 そんな様子を見ていると村長が私の肩をつつく。

 

 「本当にありがとうございました……あの、よろしければ村で今日休んでいきませんか?」

 

 「いいんですか? じゃあお言葉に甘えようかな」

 

 私がそう答えると村長は近くにいた女性たちに指示を飛ばし、4人を家の客室へと案内する。

 

 部屋は二つに分かれており、私とリズ、そしてエリックとレズリタで分けられた。

 

 私は部屋に入りリズと会話をする。

 

 「今回の依頼は大変だったなぁー!」

 

 「大変だったけどいい経験になったよ、みんなが団結して戦ったのが心強かった」

 

 そんな会話を交わし、私はベッドに飛び込む。

 

 「疲れたぁ~!」

 

 私がそう言うとリズが頭を撫でてくる。

 

 「お疲れ様!」

 

 「リズもお疲れさまだよ」

 

 私が笑顔で言うとリズも同じように笑顔を浮かべる。

 

 「今回の事で改めてラゼルに感謝してる、ありがとね!」

 

 そう言われると私はすこし頬を赤くし顔を隠すようにして布団に潜り込んだ。

 

 そんな雑談をしていくうちに私たちは眠りにつく。

 

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