第2話:自殺未遂

 次の週、塾に行く途中に自殺未遂した。


 車通りの多い交差点。人工的な青白い光が目に突き刺さって血が出てくるような感じがした。触ってみたらただの涙だった。

(最後に連絡したら、存在だけでも覚えててくれるかな)

 そう思い、文章とも言えないような幼稚な文章を少しだけ送った。

『今までありがとうございました。』

『ばいばい』


 返事は怖くて確認できないから、すぐにスマホの電源を切ってパーカーのポケットに仕舞う。

 自分のこういう臆病なくせに大胆なところが嫌いだ。すぐに後先のことを考えず無鉄砲な行動をして後々の自分の首を吐く程絞める。


 車に向かって突進した。まじで本気を出して走った。

 もう中学2年生のくせに50m12秒でしか走れない自分の限界まで本気を出して車に突進した。

 車がけたたましいクラクションを鳴らして止まる。止まるなよくそが。

「何やってんだよ馬鹿が!」

 そう運転手に叫ばれた。泣いた。泣きながら塾に入った。生憎先生が居た。

 先生にはめちゃくちゃ心配されたが何も言わずに授業の準備をし、自習した。

 何も頭に入らなかったから苛ついてSNSで病みアピしたら絡んだことも無いような垢に偽善みたいなことを言われた。死ね。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る