第25話

『そりゃ、お前。お前の呼び方を、決めたってことだろう。飼われるってのは、餌やなんかの用意をして貰って、安全であったかい寝床がある代わりに、その人間たちの所で死ぬまでその人間たちと一緒に暮らすってことだ』


ふ~ん。お出かけしちゃダメなの?他の人間の所にも行けないの?嫌なんだけど。


私、飼われてあげるなんて、約束した覚えないし。


『閉じ込められてるんじゃなきゃ、いいんじゃないか?飼われてるやつの中には、外は怖くて汚いって思ってるやつも居るぜ?』


え~。冒険してるの楽しいのに。弱っちいのかしら?そいつ。


私、速いし、賢いし、強いから、全然平気よ。


『ははは。何でもいいが、多分その番の人間たちは、お前と仲良くなりたいんだろうさ。たまに近寄ってやるだけで人間たちは喜ぶから、面白いぜ』


まぁ、それはそうね。人間の言葉が解れば楽なんだけど…


『そりゃ無理だなぁ。でも、何となく感情を読み取ることは出来る様になる。まぁ、しっかり観察してみろよ。それぞれ違ってるくせに、同じようなことしてくるから、面白い。だめなやつといいやつの区別もつくようになるさ』


うん。やってみるわ。ありがと、コワオス。またね。


『せめて、トラ太って呼べ』

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