第3話 決着アンダーグラウンド

 『U ブレイク!!』


 テンが引き金を引くよりも早く、フットマンが体を捻る。


 (カスった..!)


 「まず!!戦って五分もたってないしっ!そもそもお前らが俺に勝とうとしてること自体がナンセンスなんだぜっ!!」


 フットマンが声を荒げ、体を捻ったことにより勢いを増した拳をテンにおもいっきり叩きつける。


 打撃をくらい空から地面に落下してい...



 《コンセプト:空接》


 テンが落下する直前にセイが空接でクッションのような物を生み出し、テンが落下によるダメージをくらわないように、防いだのだ。


 「大丈夫か!?」


 「いたい...めっちゃ痛い...」


 そう言うとゆっくりと起き上がり、再び攻撃体勢に入る。


 大きなダメージは受けてしまったが、かろうじて動けるようだ。


 「なんでお前ら死んでくれないんだぜ。」


 「てかさ、さっきからぜぜぜ、うるせーんだよ。友達いねーだろ。」


 「ぜっ...ぜぜぜぜぜーーーーっ!!!」


 テンが煽りを入れた瞬間、フットマンの怒りが最高潮に達してしまった。


 「...!来るよ!地震!!」


 《コンセプト:地震ルーカスクエイク


 さっきの地震に比べて、規模がでかい。

 おそらくマット全体を地震で揺らしているのだろう。


 そして、再びフットマンは消える。


 これが彼の戦い方のテンプレートなのだろう。


 また空から現れるだろう。


 テンが割り切り、空へ攻撃の準備をしようとした瞬間。


 「テン!しゃがめ!」

 

 光を発さずに、フットマンがテンの背後へ瞬間移動していたのだ。


 (さっきまでのはわざとだったのか...!)


 テンは掛け声に合わせてしゃがむとそこへセイが剣でフットマンの腕に斬りかかる。


 (硬いっ!斬れない...)


 フットマンの腕は硬く、刺さりはするが刃が通らない。


 そして、再び地震が起こり、またまたフットマンが消える。

 

 (やっぱり、あいつを殺すには俺の「U ブレイク」を完全に決めるしかない。)


 

 「セイっ!もう一回やる!ぜってー殺す!」


 「オッケー」


 再び空が光る。


 ー誘っているのだ。


 フットマンはテン目掛けて急落下してくる。

 

 だから俺はそれを利用する。


 テンはよけず、銃を精製しだす。


 それはフットマンにとって予想外のことだった。


 本来、避けるはずであろうテンを体のひねりで方向転換し、さらに勢いを増して、完全に潰そうとしてたからだ。

 

 だが、避けないテンをみて、フットマンは勝負することを決めた。


 (ガキが、銃を作り終えて引き金を引く間も与えずに潰s...!?)


 また右腕に痛みが走る。


 ーもう一人のガキだ。


 フットマンは僅か1-2秒だが、その場に浮遊することができる。

 能力ではないが、そういう何かなのである。


 そして、右腕に痛みが走り、再び見てしまうことによって、無意識にも浮遊してしまった。


 その間に作り出された散弾銃。


 無情にも落下していくフットマン。


 そして放たれるゼロ距離の


 『U ブレイク!!!』


 直撃した。


 フットマンは致命傷を負い、瀕死状態となる。


 テンは一刻も早くこいつを殺したかった。


 だが、我慢しなくてはならない。


 こいつからオノティスの情報を引き出さなくてはいけないからだ。


 テンが問う。


 リーダーは誰だ。


 なぜ組織が存在している。


 そして、


 拠点はどこなのかを。


 フットマンはもちろん答えない。


 知ってたことだ。


 ならば、せめて自分でやつにトドメを指そうと銃を構えた時。


 突如、フットマンは跡形もなく消えてしまった。

 一つの箱を残して。


 ....。


 わかる。


 奴は逃げたのではない。


 消されたのだ。


 何者か、いやオノティスによって。


 ただそこに残された謎の箱をリンが回収する。


 「結局、なんだったのこれ〜?」


 リンが箱をいじってると、突如として箱が光り、空中にモニターのような物が表示される。



    ケイヤクシャ

          フットマン


 

 とのみ表示されている。


 「まじでわからないな」


 唯一わかることは、フットマンはその箱を使うことによって瞬間移動を可能にしていたってこと。


 三人が自分の憶測について話し合っていると、ある男が三人の元へやってくる。


 「おーい!大丈夫だった?!...震源地ここだよな」


 「ショウ!!」


 「テン!怪我大丈夫か?」


 なんと、三人の元へ駆けつけてきたのはショウだった。


 そして、三人は話す。


 オノティスに襲撃されたこと、その男が謎の箱を使っていたこと。


 ショウは驚くが、すぐに


 「俺が箱、預かってもいいかな?調べてみるよ。」


 「わかった。頼む、ショウ」


 「後、これだけは覚悟してくれ。今後この箱を取り返しに奴らが来るかもしれない。もちろん、俺も手を貸すけど奴らが来るのが、いつかはわからない。だから、自分の身は自分で守れるようにしておくんだよ。」


 「もちろん」


 「わかりました」


 「はーい」


 そして、ショウはその場を去っていく。


 あたりも暗くなり、こんなことが起きてしまったので、三人は寮へ帰ることにした。


 今日あったことは、上に報告され、マットは警戒体勢を取ることを余儀なくされた。


 そして、場面は変わり謎の教会のような場所へ。


 楕円形の大きいテーブルを囲むように複数人が椅子に座っている。

 

 そして、特別豪華な椅子に座っている人物が口を開く。


 「フットマンのことは悲しく思う。だが、あいつは口が軽いからな、消す必要があっただけだ。わかるだろう。そして、あいつのせいでが盗られてしまった。俺が言いたいことはわかるな。バルーン。」


 ツインテールの彼女がニヤリとしながら答える


 「は~い♡」


 新たなる刺客がテン達に襲いかかることとなる。




 

 


 


 


 


 


 


 

 


 

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