第13節 長編になると途中から読まれない……
初心作家さんが長期間、長編を書いていると陥りやすい現象について考えてみます。私自身はそこまでの長編を書いたことがないため、あくまでイメージです。
節タイトルで期待させてしまったらごめんなさい。
まず、読者視点に立って考えてみましょう。
例えば三百話、100万文字ある作品があったとします。タイトルやあらすじはそこそこ気になる、作者は実績もなく全くの無名──あなたは読みますか?
私は気になったら読みます──じゃなかった。
酷なことを言うようですが、一般的には読まれません。
特に、最初の数話を読んで、それが刺さらなかった場合。
大半の方が、読む手を止めてしまうかと思われます。そこでばいばいです。
PVは序盤にしかつきません。最新話は数PVとなったりします。
ここで身も蓋もないことを言いますと、長編って読む側も大変なんですね。
労力も時間もかなり消費しますし、心身ともに疲れます。
そんなもの、余程好みの作品じゃない限り続きを読んでもらえないわけです。
いえ、好みの作品──というと語弊があるかもしれません。
「大勢の人に面白いと思ってもらえる作品」でないから、読まれないのです。
少数の人には刺さるかもしれませんが、それではPVはつきませんよね。
勿論、実績や交流があると別です。別作品やSNSでの交流等で固定の読者さんがつけば、その人はずっと先まで読んでくれます。嬉しいですね……!
でも、あの古参タイトルは、その人が無名だった頃から始まって、今や超有名になってるんだけど? という作品も数多くあります。
ならなぜ、何年も前に書き始めた人は最初から長編でも読まれていたのか。
その頃は、他に物語を摂取できる媒体が少なかったからだと思います。
今はどうでしょう。動画サイトやゲーム、アニメ・映画等の配信サービス、無料漫画アプリ等々──簡単かつ安価に物語を摂取できる媒体が増えていますよね。
溢れ返っていると言っても過言ではないかもしれません。
そうなると、読むのに時間がかかり、活字が苦手な人も存在する小説という媒体はそもそも選ばれにくくなってしまいます。
長編となると読むのにも腰を据える必要がありますし、読者視点、もし仮にラストが気に入らない展開だった場合、時間を無駄にしたと感じる人も少なくありません。
そうならないように、長編を意図的に避けられる方もいらっしゃいます。
ただ、現代でも、無名の方が急に長編で売れてる……なんてこともあります。
そういった方は基本的に、現在のトレンドをしっかりおさえています。売れるべくして売れるような、そんな作品を最初から書いているわけですね。
あとは、Web小説としては運の問題もかなりあります。
評価されるとランキングに入り、そこから爆発的に伸びるシステムですから。投稿初めの頃に「評価してくれる人」が読みに来てくれないとダメなわけです。
評価に手を伸ばしてくれる人はそうそういません。そこは運が絡んできます。
序盤にランキング入りして伸びれば、そのまま継続的に評価され、日の当たる道をまっすぐ突き抜けられる可能性だってあります。ですが、それも実力+運です。
最初から売れる方は稀有な存在だということを覚えておきましょう。
トレンドを理解して、タイトルもあらすじも人の目を惹くもので、かつかなり運がいい人のみに、その幸運は訪れます。
私もその幸運を掴みたい! と思っても、これは中々難しいのです……。
こちらからできることと言えば、トレンドを逐一調べながら作品を書いて、たくさん投稿することでしょうか。数打てば当たります。書かなきゃ当たりません。
そして……一度伸びなかった長編を復活させることは、実は困難です。
本当に、続きを書いていってもびっくりするくらい読まれなかったりするので、心が折れてしまう方もいらっしゃいます。というか誰だって辛いです。
読む側が大変と言いましたが、書く側はもっと大変ですからね。
あれだけ頑張って書いたのに読まれない……なんて、そんなの辛すぎます。
解決策としては──既に投稿してしまったものに関しては、タイトルやあらすじをガラッと変えて、新規の読者さんを引き込むのが一つの手だと思います。
きっと思い入れのあるタイトルだとは思いますが、どうしても読まれたいのであれば、何かを捨ててでも新規さんを取り込むしかありません。
既に固定読者さんがいる作品なら、絶対に(とは言い切れませんが)取ってはいけない手法です。ですが、そうでないなら最終手段としてはありだと思います。
しかし、これも超長編になれば難しい手かも知れません。
作品自体に相当な魅力がある前提の上、またも運が絡んできます。
となると、作品の魅力を上げるために改めて推敲、投稿し直すなりして、作品自体の面白さや読みやすさを上げる必要が出てきます。
結局のところ、どうしようもないから、最新話PVが少ないけど放置……という状況に置かれても、作家さん側からは何もできないわけで。
ただし、これから超ヒットさせたい! 書籍化を狙っている! なんて作品をまだ投稿していないのであれば、下地を作ってから投稿してみましょう。
短編~中編等で固定読者さんを集めて、交流を増やして。
それから投稿すれば、大爆死……! なんてことはなくなるかと思います。
つまり、作家側から取れる対策としては、基本的に投稿前になります。
どれだけ一般ウケする作品なのか。どれだけ固定読者さんを増やした状態から始められるのか。超長編がヒットする秘訣はそこが一番だと思います。
一応、ランキング入りしたりすればそこから一気にPVが付く可能性はあるので、カクヨムであれば読み合い企画なんかに上げて☆を貰う──なんて力技が取れなくもないかもしれませんが、私は企画参加をしたことがないので分かりません。
今回の節はオチもなくこれで以上です。
超長編って本当に難しい……。
書いてる人全員を尊敬してますし、応援してます!
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