あの日に語った夢の続きを異世界で!!

クククランダ

第1話 目を覚ますと


 「やべー、しくった」


 八神優弥は思った。もう俺は助からない。血を流しすぎた。あぁ、死にたくねぇな。まだ俺は夢を叶えていない。


 30年前突如世界各地に出現した地下迷宮、その内の1つ、朧迷宮にて、その生涯を終えようとしている。


 「くそ、しつけーな」


 朧迷宮の中に棲まう。異形を彼らは魔物と呼ぶ。


 「はぁ、はぁ」


 優弥は近くの部屋に逃げ込んだ。そこは魔物も入れない。安全地帯セーフティゾーンだとわかる。けれど…彼の意識は。


 「あぁ、そうだな。俺はまだ夢を、叶えていない。少し休んだら、また…冒険の続…き…を…」


 優弥は静かに目を閉じて、迷宮の中で誰にも知られることなく…死んだ。







・・・はずだった。









 「…ろ……きろ……起きろ、




 「ん?なんだ?」




 気づいた時には知らない場所に居た。自分の知らない所。あれだけ傷ついた体も治っている。


「一体どうなってんだ?俺は、確かあの時に」


 なぜこんなことになっているのか。原因を探る為に思い出す。


「いや、それとも俺は死んだのか?」


 ここは死後の世界なのか?いや、それにしてはあまりにも現実味がある。頬をつねっても痛い。やっぱり現実か。


「は?俺の装備が…消えてる?」


 自分を見るといつもの服が消えていた。くそ、気に入ってたのに。


「しっかし、ここはどこなんだ?」



 【あなたは元の世界で死に、別の世界に転移しました。】



「は?異世界?…転移?…どういうことだ?」


 俺の疑問に答えることなくアナウンスが頭に響く。



 【この世界は普通の異世界の人間では生存は出来ません】


 【よって、幾つかの特典をお送りします】



「特典…ね。まぁ貰えるなら貰うか」



 【……原因不明は不明ですが、あなたは特典を1つしか受け取ることが出来ませんでした】



「は?貰えねぇの?」


 なんか、上げて落とされた気分だな。でも1つ貰えるんだっけ?



 【”システム”情報伝達アナウンスをお送りします】



「へぇ〜、え?これだけ?」


 まじ?なんか貰える筈の特典も受け取れず唯一受け取れたのがこのアナウンスってやつだけか。


 「まぁ、うだうだ言ってもしょうがないな」


 立ち上がって周りを見る。すると早速システムが発動する。



 【異世界での初めてのモンスターが現れます】



 すると本当に異形の化け物が現れた。


「うぉ!おいおいまじかよ」


 この状態で戦うのはまずい。だから俺は逃げる。逃げるが勝ちってな!!

 ダハハ! 良い。気分が良い。俺はまた冒険を、夢の続きを始められる。


「今度こそ、俺は叶える。俺があいつに語った夢を。そしてあいつが俺に語った夢も」



_______________



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