A view only for me
花簪
第1話 伝える
私は自分の今の気持ちや感情を
本当に伝えたい人に伝えるのが…とても苦手らしい。
どうして私は
大切な人を傷つけることしか出来ないんだろう。
私は人前で泣かない。
幼少期からの虐待や、忌まわしい過去の出来事で泣けなくなってしまった。
私が泣く事で、虐待や過去から逃れられるのならばとっくに泣いてる。
でも、泣いたところでそれらからは逃れられないし、何も変わらないどころか…状況は更に悪化する事を身をもって知ったから。
最後に人前で泣いたのは、マサトと別れた16歳の時。
17歳で上京してからは、人前で泣いたことは多分ないと思う。
1人では泣きますよ…?一応これでも人間ですからw
それなのに…。
今月は、私、何度泣いたんだろう…。
正直、そんな自分に
自分が1番驚いていて、困惑さえしてる。
私って、こんなに泣けるんだ…?って。
今までと違う自分を、どう扱っていいのかわからない。
怖い…。
お仕事中に邪魔したらいけない…。
眠っているのに起こしたらいけない…。
そう考えたら、今まで普通に出来ていたLINEや通話が…私から出来なくなってしまった。
平日のお仕事の日は、朝とお昼と帰宅後に連絡をしてくれて、夜は毎日欠かさず3~4時間は通話してくれている。
だから…休みの日くらいは、ゆっくり眠って疲れを癒して欲しい…って本当に思っている。
それは嘘じゃないの。
本当にそう思ってるの。
でも…そう思いつつもやっぱり不安で寂しくなる。
そんな相対する気持ちを、自分自身でどう扱っていいのかわからなかった。
この不安や寂しさを…もしも私が他で埋める事ができれば、あなたの負担は少なくなる?
そんな風に思って発した今夜の言葉。
それがまた、大切な人を傷つけてしまった。
どうして私は
傷つけることしか出来ないんだろう…。
もういっその事
封印してしまおうか…。
昔のように…言葉も、涙も、感情も全て。
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