第233話:入学試験当日、在校生はお休みナリ
入学試験の当日は、あたし達在校生は、お休み。
朝、部屋の窓から見てると。
中学校の制服の女の子たちが、ぞくぞくと、来校。
いろんな中学の制服を見られるのも、楽しいかな?
と、思いきや。
この時期の、寒波のおかげで。
みんな、コート羽織ってるし。
でも、コートの下から見える足元は。
全員が全員、スカートって訳でもなくて。
一部は、スラックスの子も、居る。
中学校でもジェンダーレスの制服が広がってるみたいだね。
逆に、しの女の方が遅れてる感じ、だよね。
そう言えば、あたしの時は、中学の学生服。
もちろん、男子用の
数人、他の男子も居たけど。
それでも、ものすんごく、浮いてたのを思い出しちゃったわ。
今年受験する、トランス女子は。
おそらく、すでに中学でもスカートか、ジェンダーレスか。
部屋の窓から見ただけじゃ、見分けが、付かない。
入試の後、数日後にトランス女子の面接をやるって。
その面接に同席して。
その子たちが、本物かどうか、見極めて欲しいって。
そんな見極めが、できるかどうか、微妙に怪しかったりは、する。
どんなところを見れば、聞けば。
それが解るのか。
うーん。
自分自身に、置き換えてみれば、と、思えど。
あたしは、本物のトランス女子では、無いからなぁ。
かと言って。
本物だと言う、レイちゃんとの差、って?
いまひとつ、よく解らないところも、多い。
レイちゃんは、あたしが指摘するまでブラジャーしてなかったとか。
あたしの方が女の子っぽい部分もあったりして?
少しネットでトランス女子について、調べてみたんだけど。
本当に女の子になりたい子は、女性ホルモンの投与? みたく、病院に通ってたりするらしい。
ちなみに、レイちゃんは、そこまではやってないみたい。
家庭環境的なところもあって、お金がかけられないって言うのもあるんだろうね。
むぅ。
今ひとつ、よく解らない。
この状態で、面接に挑んで、大丈夫、かしら?
会えば。
その子たちに、会ってみれば。
何か、気付くこともあるかもしれないし。
あまり深く考えても、仕方ない、よね。
よね?
「はぁ……」
とか、考えながら、ぼぉっと、窓の外を眺めていたら。
受験生子ちゃんたちも、校内に入りきって。
しーん、と、静まり返った、表。
たまに、車がぴゅーっと通るくらい。
「さて、と」
あたしも、ぼぉっとしてないで。
家事やって、宿題やって、あと、何しよっかな?
お休みだし、晩御飯に凝ったお料理してみるのも、いいかな。
寒いし、お鍋もいいけどねー。
あったかいシチューなんかも、いいかも?
シチュー煮込みハンバーグ。
ふむ、ふむ。
ちょっとレシピ調べてみよっと。
もちろん、家事と、お勉強の後に、ね。
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