第184話:真綾のアルバイト先のショップに突撃っ
山田くんの彼女、ミツキさんと、山田くんと、三人でお食事会。
会食?
あたしの話、山田くんたちふたりの話。
食事も済ませて、ドリンクでしばし。
からの、一瞬、レイちゃんの話になって、その流れから、また、あたしの話に。
あたしとレイちゃんが、モデルのアルバイトをしてる、って。
「あぅう、あんまり広めないで欲しいんだけど」
ちょっと、恥ずかしいし。
クラスどころか、学校中にもバレちゃってるっぽいけど。
わりとローカルなブランドだし。
誰もが知ってる、みたいなものでもないから、まだ、良いかなと思ってたけど。
知り合いに知られるのは、ね。
「雑誌とかに載ってるん? だったらすごいね」
あぁ。
モデル、って言ったら、そう思っちゃう、よね。
「まさか。近所の知り合いのショップの、カタログ用だし。そんなに大したものじゃない、よ」
「それでもすごいと思うなぁ」
女の子だったら、モデルって、やっぱり憧れちゃう、の、かな?
「それもあるけど、まあやの載ってるカタログ見てみたい見てみたい」
おや?
「あー、それならその店、この近くだから、この後行ってみるか?」
おぉおおおおい、やまだぁあああああ。
「イイネイイネ、行こう行こう、そうと決まったらさっさと行こうっ!」
「おぅ、行こう行こう行こうぜ」
何このテンション。
山田くんが、ふたり。
お似合いすぎの、ふたり。
いいな……。
じゃ、無くてーっ!
「ちょ、ちょぉっとぉおお」
レシートを手に、すでに席を立つ、ミツキさん。
と、山田くん。
ほんと、息ぴったりだな、もぉ。
しまったことに、山田くんもお店の場所、知ってるしなぁ。
とほほ。
連れてくんじゃなかったと、ちょっと後悔。
仕方ないので、ふたりの後に続いて。
お会計を済ませて、てくてく。
そして。
意図せずに訪問。
が、しかし!
「えーっ! なんでお休みっ!?」
おぉお。
シャッターの降りた、お店。
『休業のお知らせ~至年末二十九日~年始五日迄』
門松の描かれたポスターに書かれた、お休みのご案内。
「むぅ、今日までお休みかぁ、残念!」
「あはは、また明日、来るか?」
「そうだね、明日また来ようっ!」
そして、明日のふたりのデートが、決まる。
「『
見かけによらず、と言うと失礼かもだけど。
ミツキさん、マメ?
「ちなみに、中に女装専門のショップも併設されてて、そこでグッズとか売ってるの」
「ほぉ、じゃあ、その縁で?」
「うん。そんな感じ」
「なるほどなるほど、でも……」
ん?
「少女向けファッションのモデルなのに、何故に男の
はっ!?
「そう、言われれば……」
少女向けなんだから、モデルも普通に女の子で、いいんじゃ?
「よし、そのあたりも明日訊いてみよー」
「ぉー」
んー。
あ。
そうだ、思い出した。
「多分、もともと、こっちの女装ショップの店長が女装してモデルやってたみたいだから、その流れじゃないかな?」
「ほーほー。まーでもそれが本当か明日確かめてみよぉ!」
「おぉー」
ほんと。
アクティブな、ふたり。
そして。
山田くんは。
ミツキさんのお尻に敷かれそう、よね。
ふふっ。
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