第113話:アルバイトをすることになりそうです
雪人さんのお母上、雪江さんが、何やらノリノリで。
あたしのお母さんの連絡先を教えて欲しいって事で。
一応、お母さんにも確認してから、連絡先を教えたら。
あたしがアルバイトしてもいいかって、訪ねてた。
お母さんは、さらっとオッケーしたみたいだけど。
「お母さんはいいとして、学校は?」
って、聞いたら。
「直談判~」
だ、そうで。
アルバイトの件は、雪江さんに預けた形で、後日に連絡をもらえるらしいけど。
どうなることやら……。
それは別として。
店内の商品をひと通り見てまわって、雪人さんに説明してもらったり。
この日は、一応、これで終わり。
レイちゃんのアルバイトの日まで、数日。
一応、アルバイトじゃないけど、付き添いでお邪魔する予定では、あったんだけど……。
八時間目の先輩たちと先生のグループチャットに、エリ先生からのメッセージが届く。
『園田さん、アルバイトするんだって? なんか教頭からバイト許可するって連絡来たけど、どゆことよ?』
「はい?」
『何? 真綾ちゃんバイトするの?』
『何のバイト?』
『いかがわしいアルバイトじゃないでしょうね?』
うぉーい。
エリ先生がグループチャットに投げ込んでくれたおかげで。
先輩方にも、バレバレ。
「例の女装ショップでカタログの写真撮るだけですよ」
『何それカタログモデルってこと?』
『モデルデビュー!?』
『もちろん女装ですわよね?』
「隣の女子向けショップのカタログらしいですから女装ですね」
『見に行きたいなー』
『邪魔になるだけでしょ』
『写真出来たら是非、見せて頂きましょう』
とか、なんとか、わちゃわちゃ。
しかし。
と、言うか、どういう取引がなされたのか?
うん、裏取引だよね、絶対。
雪江さんが言ってたもの。
『商売よ~、商売~。新しい商売のネタの匂いがするのぉ~』
どんな商売……商談が成立したのか?
学校側の、来年度の様相や、いかに??
そのあたりの詳しいことは、知らされないし、聞いても答えてもらえなさそうだよねぇ。
それに、しても。
まさかの展開で、あたしまでアルバイトに参加する事になるとは。
まぁ、アルバイトでお給金が貰えるなら?
女の子のお洋服を着て写真を撮るだけ、でしょ?
破格!?
かも?
あ。
そうだ。
当事者でもあるレイちゃんにも一応、連絡入れておこう。
「あたしもアルバイトすることになったみたい」
『わーいこれでいっしょにできるね!』
ひとりじゃ不安なところも大きいだろうし。
それもあって、付き添いするつもりではあったんだけど。
さらに、雪人さんからも、メッセージが届く。
『真綾くん、ごめんね、母さんが無理言って。大丈夫?』
「あ、はい。大丈夫です。よろしくお願いします」
『こちらこそよろしく。場所と時間はこの間伝えた通りね』
「はい了解です」
こうして。
生まれてはじめてのアルバイトに臨むことに。
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