レイちゃんとアルバイト
第109話:お久しぶりアキラくんはじめまして
「レイちゃん、待った?」
「ううん、わたしも今、着いたとこだよ!」
レイちゃん……菅原さんの、アルバイト面接。
雪人さんのお店に、午後二時ってことで、少し早めにお店の最寄り駅に集合。
もちろん、レイちゃんもあたしも、女子の装い。
レイちゃんはちょっと上品なブラウスとスカートに薄手のカーディガン、それに日傘。
あたしは、シンプルに、水色のワンピース。
ちなみに髪型は、レイちゃんは、地毛で、ショートカット。
あたしは、いつものお団子頭にポニーテールのエクステンション。
あたしも、もう少し、髪が伸びればなぁ……。
それは、さておき、またいずれ。
「じゃぁ、お店に入る前に、ちょっとお茶しよっか」
「うん!」
ふたりで近くの
冷たい飲み物を頼んで、早速。
「履歴書、書いて来た?」
「うん。えっと、これ」
「ふむ……」
字も可愛いな。
うっ。
これは、盲点!?
字!
筆跡!
なるほど!
これも習うしかないかぁ。
でも、これも結構、小さい頃からの癖みたいなところあるから。
矯正するの、難しいだろうなぁ。
レイちゃんは、わりと小さい頃から『女の子』としての意識が強かったんだろうな。
だから、文字も、って感じかしら?
内容の方は、と。
まぁ、高校生の履歴書なんて、こんなものよね。
小中の出身校と、現在の在籍校。
あと、資格系があれば、だけど、特にないわね。
あたしもだけど!
お華とか、お茶とか、ピアノとか?
ぷるぷる。
今更感が半端ないし。
「ま、まぁ、こんなものよね」
そんな感想しか、出ないわよね。
「そうよね……自己アピールとかも難しいわよねぇ……」
ここは、あたしの『顔見知り』パワーで、ごり押し!?
かな?
「そんなに緊張しなくて大丈夫、だからね。雪人さん、優しいから、とんでもなくおかしな事をしなければ大丈夫だと、思う、わよ?」
「そ、そっかな……」
「うんうん。ばりばりアルバイトで稼いでブラ買おう!」
ブラジャーだけじゃないけどね!
「う、うん!」
レイちゃんの緊張をほぐすのもあって、世間話などなど、しばし。
「そろそろ時間ね……行こっか」
「う、うん……」
喫茶店を出て、いざ、女装専門ショップ『YUKITO』へ。
「はわぁ……緊張してきた……」
あはは。
さっきから、ずっと、だけどね。
時間が、場所が、近付いて、尚、更に、って感じかしら?
「ほらほら、よく言うでしょ」
『女は度胸!』
ハモった!?
「ね!」
「うん!」
「はい、ここだよ」
「はら? 女の子向けのアパレルのお店??」
「えっと、こっちの奥に、女装専門ショップが併設されてるの。同じ経営らしいわ」
「なるほど……」
勝手知ったる。
左側の店舗へ踏み入れると。
「あ! まーやお兄ちゃん! いらっちゃいませー!」
とことこ。
小さな女の子。
幼女が、あたしの足に抱き着いてくる。
「アキラくーん、久しぶり!」
「アキラ……君!?」
「そそ、雪人さんの
「息子さん……」
アキラくんが、レイちゃんに気付いて。
「こっちの
「お兄ちゃんのお友達で、レイちゃんよ」
「レイちゃん! こんにちわ、でしゅっ!」
元気に、でも、礼儀正しく、深々と、お辞儀して。
「こんにちは、アキラくん。よろしくね!」
アキラくんに元気をもらって、レイちゃんも元気よく。
んふふ。
アキラくん、ありがと!
――――――――――――――――――――――
<作者なかがき>
えと、あんまりココで書くのもどうかとは思いつつ。
皆さまのおかげもありまして。
なるるのカクヨム作品で、最大話数の108を突破しました!
1話あたりの文字数は少な目とは言え、まぁ、よくここまで書いたなぁ、と。
さらに、まだまだ終わりそうにない罠にもハマりつつ(自滅
。
今しばらく、お付き合いいただけますればと!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます