第107話:ナイスショタ金髪男先輩



「いつからだろう……?」


「わたしは会った時から、だから、ずっとそうなんだと思ってましたけど」


 菅原さんの証言。


「そう言われてみると、いつからだろうな……ぜんぜん気付かんかったわ」

「だなぁ……最初『ウチ』って言ってたのは違和感あったけど」

「うんうん、中学時代は『オレ』か『ボク』だっけ?」

「少なくとも、『ウチ』とか『あたし』では、なかったな」


 男子チームぅっ。


 まぁ、その通りなんだけど。


「まぁ、いいんじゃないか? オレたちも今は、コレだし、な」

「だぜー」

「うむ、より女子っぽくなった、って言うか、もう、女子じゃね?」


 女子先輩チームぅっ。


「先生的にも、当初の思惑通りでうれしいわよ」


 せんせーっ。


「とっても可愛らしい、ですわね、お嬢様」


 シズさんまで……。


 とほほ。


「あ、あたしの事はいいのよ。それで、先輩たちは」


 半分、ヤケ振り。


「あぁ、こっちは適当にやってたぜー」

「ゲームで盛り上がってたしな」

「うむ。こいつらのおかげでだいぶしゃべり方も解ってきたし、な」


「若干、言葉遣いが汚いというか、荒めなのが気になるけどね」


 先生、するどい。


 あたしもそう思う。


 あたしや菅原さんがお上品ぎみなせいもあるかもだけど。


「男らしさを強調すんなら、こんくらいの方がいいだろ?」


 若林くん、いわんや。


 わからなくは無いけど。


 昼食も終えて、食後のお茶の時間にもおしゃべりは続き。


 和やかに。


 厳かでは、なく。


 ワイワイ、ガヤガヤ。


 人数も多いし、あちら、こちらで、会話の盛り上がり。


「じゃぁ、そろそろリビング戻って、続きやろー」


 家主の金髪男先輩の音頭で、リビングへと、移動。


 二名、追加になるので、座席も再配置。


 三組のトランプ……ひとりでシャッフルするのは無理なので、ふたりくらいで半分づつ、シャッフルして。


 配られたカードを確認。


 内容的には、普通なんだけど、三組使ってるから。


 数字の合う組み合わせが結構あるよね。


 なので、手元に残るカードの枚数はそれほどでもなく。


 短期決戦?


 それでも、人数が多いから、自分の番まで、待ち時間が長いわね……。


 なんて。


 カードゲームをやりながら、世間話も織り交ぜて。


「女子高でその恰好で登校したら、めちゃモテなんじゃないっすかね?」


 一応、女子高じゃなくて、共学校のハズなんですけどねっ、山田くん!?


「さすがにこの恰好で女子の制服は似合わなさすぎだろ」

「いやー、結構、イケてんじゃないっスかね?」

「どうだろー? オレっちが後で着替えてみるかー?」

「おー。面白そうじゃん」


 なんだかんだ。


 区切り着いたところで。


「んじゃ、ちょっくら着替えてくらー」


 金髪男先輩が、リビングを出て、しばし、後。


「じゃーん。どやー!?」


 ドヤ顔でリビングに戻ってくる、『しの女』の制服姿の、金髪先輩。


「……」

「……」

「……ナイス・ショタ?」


 ショタって……。


 中性的な雰囲気は、ある。


 でも、やっぱり、身長のせいもあって、女の子成分の方が多いよなぁ。


 おさげ夫先輩とぱっつん男先輩がどんな感じになるのかは、見てみたい気もしなくもなくもない?




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