カーテンから漏れる光のなかで


 ふと目が覚めて、彼女が隣にいることを確認していたら、すっかり目が冴えてしまった。


 アラームが鳴るまで二十三分。

 今、二度寝したら寝坊してしまうだろうから、丁度いい。



 つい数日前までは、ひとりで眠っていた部屋に彼女がいる。

 そして、これからもずっと。



 子供の頃は当たり前だったことが、当たり前ではなくなって、そのことによって自分の気持ちに気がついた。

 だから、あの日々は意味があったのだと今なら言える。

 それでも当時は、そんなこと思えなかったし、泣かしたことも、泣きそうなほど辛かったこともあった。




 カーテンの隙間から漏れる光。

 少しずつ明るくなっていく部屋。

 身動ぎする彼女を抱きしめる。


「これからは、ずっと一緒だ」


 そう呟いて彼女の額に唇を寄せた。

 たぶん、明日も明後日も、この喜びを噛み締めるのだろう。



 

────きっと明日も


 2024.09.30.

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る