第3話

君がその横で見た影は

鈴の音だけが生きていたのですね

微睡む中、目を擦りながら

声のないその影を

君は最後の果てとばかりに

目を見開き

耳を澄まし

外の多少の光に吐き気を転がせながら


でも、もう居ないのです

誰も居無いのです

彼の人はもう

否いのです


暗闇を多少の光にぼやけるあれは

貴方の影なのです

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