育児放棄された転生幼龍はいずれ神に近き龍と化す【育りゅう】

冰鴉/ヒョウカ

第1章 幼龍転生

第1話あぁ、龍になりt...なってる⁉︎

俺こと橘 氷樹には長年願い続ける夢があった。

それが『龍になること』。


毎年の初詣や流れ星が流れる時は必ずと言って良いほど『龍になりたい』と願った程だ。


だが同時にそんな事は起こり得ないと何処か諦めている節すらあった…いくら願えど、それが神に届いたとしても結局人間は人間のまま、哺乳類である人間が爬虫類と思われる超生物なドラゴンになれないし、まず現実に存在して良いとは思えないとそう思って過ごしてきた。


そして高校を卒業し、大学生活への期待と不安を抱き生活してた時、橘 氷樹はあっけなく命を落とした。


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(あれ?何ここ…暗い?)


確かに俺は死んだはずだ…所謂ラノベでのテンプレな死に方だがそんな時にでも「龍ならばこんなので死なないんだろうなぁ」と考えながら意識が遠のいていくのを覚えていた。


(でもなんで意識がある?しかも何となくだが身体を動かせれている感じがする)


(手を握る感触もある、首を動かせれている感じもする、そして体制は…丸まってる?)


よく分からないがとりあえず外の状況を確認したいが為に自分を覆ってる硬い何かを全力で突き破ろうとし…突き破った。


(…え?)


そして外の景色を見て非常に驚いた。


勿論周りが森であり、非常に爽やかな空気が流れている事に驚きはする。だって病院でも無いし建物内ですら無いのだから。

だが、そんなのは些細な事、


(ド、ドラゴン⁉︎)


自分の目の前、そこには願いに願い、いつか自分もその威厳溢れる強者の姿になりたいと願った存在がそこにあったのだ。



頂点に立つに相応しい堂々たる王者の佇まい

鋭い爪や牙

それだけで武器となる巨体

その巨体を支える強靭な四肢

巨体すら浮かせる大きな触り心地の良さそうな翼

新雪の様に美しくも白く、輝く鱗



力強さや理不尽な雰囲気を感じながらも神聖さを感じる姿、もし現代に居るのであれば神龍と崇められるか、その美しき素材欲しさに大量の軍を派遣されるのではと思える存在を前に俺は興奮しながらも何処か冷静に考えれていた。


(何故目の前に龍が?現実には存在しないし、そもそも俺は死んだはず…て事は転生?異世界ならば龍が居ても不思議じゃ無い)


そうして考えてるうちに白龍が動いた。

チラッとこちらを見たかと思えばすぐに目を離し、何処かへ歩いて行き…飛んで行った。


(急に飛んで行った?餌の確保とかかな?)


そんな風に考えながらも白龍の飛んで行った方向をボーッと見続けていたのであった。

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