時空シール4

第4話 怪物

　世田谷にある議員や社長の豪邸が次々と燃える事件が発生した。

　アレックスは昔、貧乏したことがある。若い頃はロスアンゼルスにあるビーチシティズにある食品工場で働いていた。魚介類を扱う工場だが、当時の社長が金に汚く、ボーナスなどもなかった。

　アレックスは鼻で笑った。

「いい気味だ」　　

　豪邸を燃やしていた犯人はヒルだった。

　さらにヒルはオレンジカラーの時空シールを手にしていた。蘇生をすることが出来た。『912』と書いてあった。

　912年にタイムスリップした。

　海外では、アレクサンドロスが東ローマ皇帝に即位し、日本では出産ラッシュが起きていた。

　4月29日（延喜12年4月10日）? - 源満仲、平安時代中期の武将。源頼光、源頼親、源頼信らの父（+ 997年）

10月15日（延喜12年9月3日） - 良源、平安時代の天台宗の僧（+ 985年）

11月23日 - オットー1世、神聖ローマ帝国の初代皇帝、東フランク王国国王（+ 973年）

同日に悟恩、北宋の天台宗の僧（+ 986年）

　薛居正、北宋の史学家（+ 981年）

丹波康頼、平安時代の公家、医家（+ 995年）

　ヒルは大城たちの遺族から金をもらい、次々に犠牲者たちを蘇生させた。

　犠牲者たちの複雑な物語に、突如として現れた謎の怪物が事件に更なる混乱をもたらした。この怪物は姿を見せながらも、不気味な影響を犠牲者たちに及ぼす存在として、事件の謎を一層厄介にする。

　怪物は犠牲者たちの心の奥底に潜む闇や不安を引き出し、その弱点を突かれることで自己を追い詰めさせる。各犠牲者は怪物との邂逅で、己の深層心理や埋もれた過去に向き合うことになる。

　大城健太は孤独に立ち向かいながら、怪物が彼の内面に潜む闇を露わにしていく。桜井みさきは過去のトラウマとの再会に苦しみながら、怪物との関わりによって真実を理解しようと模索する。

　怪物は高橋悠香の疲弊した心に影響を与え、看護師としての使命感と家庭の責任の狭間で葛藤させる。山口秀夫は怪物によって隠された過去の秘密が次第に暴かれ、彼の周囲には大きな影響が及ぶ。

　斉藤真帆は怪物と対峙しながら、事件の裏に潜む陰謀や複雑な関係に迫ることになる。また、渡辺拓也や鈴木美穂、小林優太、田中美緒、佐々木一平も怪物との接触によってそれぞれの内なる闇と向き合うことになる。

　この怪物の登場によって、事件は更に深層に迫り、犠牲者たちは真実を解明するために自らの過去や心の闇と向き合わねばならない困難な試練に立ち向かうことになる。