背中の痣は生まれつきだったはず
星宮和
問問答ではなかった
ミンミンゼミの大合唱の聞こえる大きなお寺の本堂で
「なむさん」
「せっぱ」
禅問答をしているかのような真剣なやりとりがおこなわれている。
違う、相手は坊主ではない。
自分も坊主ではない。
お互い譲れないものがあり交渉は決裂し、帰り道で後ろから刀で左胸を刺されて死んだ。
偶に胸が痛くなることがあるけれど、
そんなの、この刺されて死ぬことに比べたら全然だなと馬鹿なことを考えていた。
これで戦の幕が開いてしまうだろうが、とめられなくすべもない。
無念であると思いながら、息を引き取った。
大地の底から沸き上がるエネルギーが遠くであった。
向かおうと、見つけて喜び走り出そうとしていた。
惹かれたものが熱を失うと共に、動きを止め急速に眠りについた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます