友人とシスコン
『さてと、不本意ながらお前らと一緒にグループになったわけだが、あんまり俺に迷惑かけるなよ?』
カントがすごい上から目線で言ってくるな。お前の方が僕に迷惑かけないでほしい。
『俺はみんなに迷惑かけないから大丈夫っしょ。余裕余裕』
軽いなー。その軽さが心配なんだよアイト。
『そうだよ。僕もカントと違って迷惑かけないよ。あんまり迷惑かけるなよカント』
『お前の存在の方がみんなに迷惑だ』
『僕の存在はそんなに迷惑かけてないよ』
失礼にも程があるよ、僕はこんなにも真面目な生徒なのに。
『ねー。そんなバカな話するなら、俺は妹のところに行っても良いかな?妹の授業も終わってる事だし見に行きたいんだよね』
『エイタ。相変わらずのシスコンだな。妹に嫌われるぞ?』
本人を目の前にしてシスコン呼びするとは、、、カント凄いな。
『おい、俺が妹に嫌われると思ってるのか?俺はこんなにも妹のことを愛してるのに嫌われるはずないだろ。昔は(お兄ちゃん大好き)って言ってくれるんだぞ』
『お前のその自信はどこから来るんだ?』
カントの言う通りだ。その自信はどこから来るんだ。
『そういえば、妹さんは介護科に入ったんだよね?そうなると僕たちの後輩って事になるね』
『そうだよ、介護科だよ。妹に他の男どもが近づかないか心配だよ。様子を見にいかないと』
こりゃあ重症だ。
『ちょっとあんたたち可愛い後輩たちに変なこと教えるんじゃないよ!』
『あまり後輩をいじめないでくださいね?』
こんな僕たちにも声を掛けてくる唯一の女の子の友人たちだ。
一人は、多少口が悪いが入学当初から話しかけてくれる阿部未來(あべみらい)
二人目は、少しのんびりしているけど、クラスのみんなにも優しく接している。だから、こんなバカな僕たちにも優しくしてくれる遠藤彩(えんどうさや)さん。
『僕たちはただ後輩の様子を見に行くだけだから、変な事なんでしないよ』
『じゃあ私達も後輩と仲良くなりたいし、エイタの妹さんも見てみたいしね』
たしかに、エイタがシスコンになるほどの妹か見てみたいな。
『よし、じゃあみんなで一年生の教室にでも行くか』
『で?どの子がエイタの妹なんだ?』
『えっとねー、窓際の一番後ろの席に座ってるよ』
黒いセミロングの髪の毛、黒縁メガネがよく似合う。確かに美少女だ。
『あの子がエイタの妹さん?』
『おいまじかよ、めっちゃ可愛いじゃねーか!妹さん彼氏とかいるのか?』
『あーん??彼氏なんかいるわけねーだろ!居たら即刻学校の裏山に埋めてやる』
怖いよ。。口調も荒いし。埋めるって発想凄いな。
『と、とりあえず中に入って声かけてみようよ』
『おーい。雪ー。お兄ちゃんが会いにきたよー』
妹さんがこちら向いたけど笑顔が無表情になった。
『バカ兄貴、、、何しにきたんだよ!』
凄いビンタがエイタの頬にくらった。身体が宙に浮くほどのビンタか。あれは痛いだろうな。
『先輩の皆さん初めまして。バカ兄貴の妹の橋本雪(はしもとゆき)です。よろしくお願いします』
『よろしくね雪ちゃん私は未來、こっちは彩ちゃんだよ』
『はい。女性の先輩ができて嬉しいです』
良い笑顔だな。確かに可愛い。
『雪ちゃん。僕は涼よろしくね。で、こっちのいかにも頭が悪そうなのが、カントだよ』
『おい!誰が頭悪そうだ!お前の方が頭悪そうだろ』
『あっはい。バカ兄貴の友人って事は二人ともバカですよね』
、、、あれ?僕たちの評価低くない?初対面でバカって言われたよ。
『えっと、僕たちはバカなんかじゃないよ?』
ここは先輩としてのその評価は間違ってる事を示さないと。
『、、、今朝校門近くで半裸になってバカ騒ぎしてましたよ?あんな事する人はバカに決まってますよ?』
ー評価は間違ってなかったー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます