僕と介護の道

@oka99

僕と介護

        

 4月新しい出会いがある。今年で高校二年になった。僕が通う学校は少し変わっている。普通科、夜間定時制、そして介護科。僕が通うのは介護科だ。国家資格である介護福祉士免許取得も目指す科である。

国家資格を取得するため勉強に実習をこなす。だから学生としての心構えを大切にしてる。

これから入学する後輩たちの見本となるべく学校生活を送っている。



ーなぜか今僕は、校門の前で半裸で正座させられているー


 かれこれ十五分、他の生徒だけでなく、新入生たちにも醜態を晒している。

『聞いているのかバカものどもが!』

担任の多田先生のお叱りはいつにも増して響く。

『学校の桜の木の下で花見をするだけでなく、野球拳をして半裸になるとはどういうことだ!』

『僕たちはその、桜を見ながらお菓子やジュースを飲んで、遊んでるところを新入生に見せれば、学校は楽しいところだよって思って欲しくて花見をしていただけです』

『花見は百歩譲っていい。ならなぜ野球拳をしてる』

『やだなー先生。花見といったら野球拳じゃないですか』

ここは、先生を落ち着かせるためにおちゃらけよう。

『そうそう。花見といったら野球拳だろ。常識だぜ先生』

悪友であるカントが応戦してくれた。

先生無言で腕を上げないで。

ガツン!

五人いた仲間たちに一発ずつゲンコツが落ちた。すごい痛い。体罰で訴えるぞ鬼担任

『このまま、生徒指導室に来い!その間に俺は他の生徒たちの様子を見てくるから』

『はーい。』

花見物品を片付けながら各々準備する。

『準備できました。』

『おう。準備できたか。なら行・・・なぜ服を着てない』

『ジュースやらお菓子で汚れたので仕方なく』

『この大バカものがー』

反省文書くことになったが仕方ない。



『まーたバカやったんだって?懲りないよね』

『あんまり先生を怒らせない方がいいですよ?』

二人組の女の子が話しかけてきた。

『バカとは心外だな。僕たちはただ新入生を楽しませようとしただけだよ』

『そうだぞ。阿部に遠藤。俺はコイツと違ってバカではないからな』

『ちょっと待って。僕だけがバカってひどくない?』

そんな話をしてたら、チャイムが鳴った。チャイムが鳴り終わった後すぐに教壇の前に誰か立っている。多田先生だ。

『チャイムなり終わったぞ席につけ。これから二週間後から始まるデイサービス実習について話するからな』


デイサービス実習初めての介護実習だ。四人一組になって各デイサービスで五日間実習する。

『初めての実習だから、みんなも緊張すると思うが、まずは介護施設を知ってくること、コミュニケーションを取ることがみんなの目標だ。グループ分けはもう既に済んでるからプリントを見るように』


さて、僕のメンバーはと、カント、エイタ、アイト。バカ四人が揃った。


『・・・実習大丈夫かな』


 


 

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る