うち猫のあれやこれ

立樹

第1話 水飲み場

 うちのところには猫が二匹います。

 アメリカンショートヘア―と耳折れのスコティッシュフォールド。

 アメショーが男の子でスコティッシュが女のです。

 名前はアメとクリといいます。


 歳はどちらも5歳。人間にしてみたら30代でしょうか。

 猫にも性格がいろいろあります。

『猫』とひとくくりにできないほどです。

 実家にも猫がいて、歳は不明です。実家に来た時、元の飼い主さんが、

「たぶん、もうすぐ15歳かな」

 と教えてくださってから、5年ほど経ちます……、すると、現在20歳ぐらい?ということは人間でいうと24+4×18=96 おお!約100歳。

 今も、カリカリフードを食べる元気いっぱいのおじいちゃん猫です。


 猫って一緒に住んでいるととても面白いです。

 もちろん、かわいいのは当然のこととして、いろんな行動や顔をみせてくれます。


 今日の出来事より一つ。


 アメショーのアメはとても食いしん坊です。

 あればあるだけ食べます。

 そして、自分の分はおいておいて、先にスコティッシュのクリのごはんから食べちゃいます。そんなアメは大飯ぐらいと同じぐらい、水もがばがば飲みます。

 たぶん大量のカリカリフードを食べるので、きっと、のどが渇くのかもしれません。


 そのアメはリビングに飲み水をおいているのに、私が出先から帰ってくるたびに、手洗い場にやってきます。

 目的は……、私を出迎えにきてくれたわけじゃないんです。

 手洗い場の横にあるお風呂場が真の目的です。

 どうしてだか、アメはお風呂場で水を飲むのが大好き。


 お湯が入るのを見るのも大好きで、湯船のへりに座って見ていました。

 でも、体を乗りだし過ぎて、お湯がはってある湯船の中に落っこちること数回……。

 猫は水がキライと言われているように、体がつかるのは恐怖でしかないらしく、必死の形相で湯船から出て、水濡れのまま、家の中を猛ダッシュしていました。

 きっとパニックになっているんでしょうね。

 猫も恐怖ですが、わたしも恐怖です。

 家の中という家の中を走り回った結果、猫の足跡と水たまりが、そこらかしこにあって、拭き回らなくちゃならないのですから。

 しかも、一番落ち着く場所が、パパさんの布団の上……。


 それほどまでにお風呂場好きなのですが、最近は危険なので(双方にとって)お風呂場に入るのを禁止にしています。

 なのに、ずっと毎回お風呂場の前で、

「みゃー(水くれ―)」

 と鳴きます。


 今日のこと、リビングにある水入れをお風呂場の前に置くことにしたらいいんじゃないと思いつき、持っていこうとすると、

 移動中から、手に持っているものを察して、

「みゃー、みゃー」

 と、飛びついてきました。

 この、催促が、とてもきゅんとなるしぐさの一つで、持っていくのも面倒くさくなくなってしまいます。

 恋は盲目、ではなく、うち猫には盲目。かもしれません。



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