料理研究家

 最近さいきん旦那だんな味覚みかくへの挑戦ちょうせんが止められています。


 あれは、忘れもしない某年某月某日ぼうねんぼうげつぼうじつ

 私が、会心かいしん出来栄できばえの塩焼きそばを披露ひろうした時のことです。


 なぜか、焼きそばを食べた旦那の表情がおもわしくありません。


「どうしたの? まずかった?」


 それに旦那は、考えたようにだまみます。

 私の自信じしんもどんどんなくなっていきます。


「カップの塩焼きそばを目指したんだけど?」

「それだ!」

「どうだった? そっくりだった?」


 そっくりだったようですが、そういう問題ではないらしいです。

 以来、私が冒険ぼうけんをしようとすると、旦那に止められるようになりました。


 心外しんがいです。


 カップ焼きそば……おいしいですよ?

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