8-6

 5月の連休前に新入生の歓迎会が行われ、市内の居酒屋で、我が峰ちゃんクラブも男子2名、女子2名が加わっていたのだけど、隣の部屋は去年と同じラグビー部だった。ラグビー部は結局、新入生が5人になっていて、桾沢先輩が大学院に進んだので、試合には参加すると言うことなので、何とか夏の大会には15人揃いそうだとイオも言っていた。それよりも、プレーイングマネージャーという形で女子が3人も入っていたのだ。ウィメンズセブンズを目指すらしい。


 そのせいか、女の子の声がキャーキャーと聞こえてきていて、賑やかなのだ。どうも、新入生なのにお酒を飲んでいるのかしらと思えるぐらいにはしゃいでいた。さすがに、元気いっぱいで積極的な女の子達らしい。そのうち 「伊織利先輩 もっと 飲みましょうよー」と、甘ったれ声も聞こえてくるようになった。


 ウチの新入生の女の子達も刺激されたのか、さっきから鏡先輩とか桐山君を相手にしきりと横にべったりと付いているのだ。私は、心の中がざわざわして面白く無い素振りだったのだろう、朋子先輩が横に来て話し掛けてくれているのだけど、もう それなりに酔っぱらっているものだから話していることが滅裂なのだ。


 その場の会が同時に終わって、一斉に店の外に出てきた時、 ラグビー部の女の子の一人が伊織利さんの腕にしなり寄って「ねぇー 泉町に連れていってよぉー」と、甘えた声で誘っていたのだ。きっと さっき伊織利さんに迫っていた子なんだろうと、思いつつ立ち尽くしていたら、朋子先輩が寄ってきて


「真織 あんなことぐらいでイラついていたらダメよ! 飲んでじゃれているだけなんだからー あなたは 落ち着いて構えていなさい」と、この人 酔っぱらっているはずなのに シャンとして忠告してくれていたのだ。


 その後、鏡先輩がみんなを3階建てのビルの中にあるギターの生演奏をしているクラブに連れて行ってくれて、そこでも朋子先輩は私に


「あなたも 女の子からチヤホヤされないような魅力もない男ってなんとなく不満でしょ? あなたと彼とは信頼しきっているみたいだから・・・あれっ位のことはさらっと流しておけばいいのよー あんまり 彼を縛り付けるようだと嫌われちゃうからね」


「はぁー でも・・・あんなに べったりと・・・」


「バカ 真織のほうが ず~っと いい女よ そんなの 彼も きっと わかってるってー いい? 今度 会っても 普段通りにしていなさいよ!」


「わかりました 普通にね 今夜のことは無かったようにしています」 


 次の日、土曜日でバイトも無いので、ゆっくり寝ていたいだろうからと、お昼頃に彼の部屋を訪れて・・・案の定、まだ、ベッドでぐずぐずしていた。


「もう ベッドに茸出ちゃうよー 起きてー」


「あぁ シャワーしてきていいか?」


「どうぞー お酒の匂い 消してきてー その間に ふわふわのオムレツ作っとくね」


 と、私はプレーンのオムレツとなすびのお味噌汁を作っていると、伊織利さんはバスタオル1枚で髪の毛を乾かしながら出てきて


「何なのよー 女の子の前なのに そんな恰好でー マオはね そんな なし崩しみたいな女じゃーあないよ! あなたの彼女なんですからね! 最低シャツとパンツぐらい着てよね!」


「あっ あぁー すまん すまん おっ いい匂いするなー」


「そーやって 誤魔化すぅー 食べててね マオは お酒臭い シーツ洗います タオルケット 乾くかなぁー」と、収納ケースから彼のTシャツとトランクスを取り出して投げつけていた。


 と、言いながらも、私は当然のようにそれ等が収まっている場所を知っているという自分に身震いを感じていた。お嫁さんみたい。それに、その奥の方に袋に包まれた私の下着が収まっていることを彼は気付いているんだろうかとも・・。でも、昨日、寮に帰った後、彼も今は クラブをなんとかしようと頑張っているんだ 初めて、入ったレディース達も盛り上げようとしているんだから、私に出来ることは応援しなきゃーと思う様にしていたのだ。


 夕方になって彼はマーボー豆腐が食べたいと言うので、軽く買い物とタオルケットが生乾きなのでコインランドリーに出掛けて、その夜は私は当然泊まる気で来ていたのだ。


 夕食の後、私がお風呂で髪の毛を洗い終わった時に、彼が入って来て 突っ立っているから


「なんやのー イオ この頃 わざと見せびらかすようにしてへん?」


「あぁ 本番の時に 慣れっこになるようになー マオの手で洗ってくれよー」


「嫌やー そんなん 出来るわけないヤン そんなことするんやったら もう 一緒に入らへんからなー!」


 だけど、私はハートマークのプリントの半袖短パンのパジャマを着ていたのだけて、ベッドの中では上着を脱がされて、乳房から首筋まで唇が這ってきていて、私のあの部分に彼のものを押し付けられるものだから・・・声を押し殺しながら喘いでいたのだ。




 

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