第4章 来たぞ あなたのもとに・・・けど

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 入学式の日。お母さんが、紺のワンピースを用意してくれて、お母さんは式に出ると言っていたんだけど、子供じゃぁ無いんだからと断ったのだ。だけど、女子寮に入ることが出来て、入寮の時は、一緒に来てくれて、洋服なんか買い物をしてくれていた。下着なんかも、今までは子供っぽいのばっかりだからと、少し、色物とかレースで飾られたものなんかも買ってくれたのだ。


 体育館で式は行われ、翌日からはオリエンテーションなんだけど、私は、寮に入った新入生3人と行動を一緒にしていた。ひとりは、同じ農学部なんだけど学科は違う鳥取出身の進藤真菜しんどうまなちゃん。もうひとりは工学部で福島出身の宮古香苗みやこかなえちゃん。


 式を終えて出て来ると様々なサークルの人が勧誘で声を掛けてきそうなので、私達は反対のグラウンドほうに足を向けていた。新入生らしき人が何組かのグループが居るだけで、在校生らしき人は居なかったけど、体育館とかテニスコートがあって、トラックにはラグビーのポストがそびえていた。あの人がここで走り回っているんだろうかと・・・。でも、別のキャンパスにもグラウンドがあるって聞いていた。練習って そっちなんだろうか


 帰る時になって、校門のほうに行くと、まだ勧誘の人達が居て、目ざとく私を見つけたようで


「居た 居た やっぱり 合格したろぅ? 竹刀の効果だよ」と、あの時の人だ。


「ちゃうわー 実力! でも あの時はありがとうございました。スッキリしました」


「だろう? だからさー 今日は ホラッ ダミーの人形に面を被せた 竹刀を振るのを体験してもらう為だよ」


「ワァオー すご~い ウチ やってもええやろか? ねぇ みんなもやってみようよー」と、真菜ちゃんと香苗ちゃんを誘って、私は2度目なんでバシッと鋭い音がしていたけど、他のふたりはボシャツと弱弱しい音。


「君はやっぱり すじが良いみたいだよ ねぇ 剣道部 入ってよー 俺 教育3年の 三日月俊平みかづきしゅんぺい 君 名前は?」


「・・・お・く・う・ら です」


「オクウラさんねー で 下は?」


「・・・安心してください 穿いていますよー」私は とんでもないジョーダンを言ってしまった。自分でも幾らか浮かれているように思えた。


「ひゃぁー おもしろい子だね 関西の子? 君みたいなの 入って欲しいなぁー 今、女の子の部員も3人いるんだよ」


 そんなことを話していると、少し、離れたところで・・ 居た たぶん あの人 ラグビーの勧誘なんだろう そーなんだろうけど 男の子にばっかり声を掛けている姿が見えた。久々に見る陽に焼けた顔。懐かしい・・・。だけど、私は声を掛けれなかった。怖かったのだ。知らんぷりされると・・・どうすれば・・・


「あのー 私は あの汗臭そうなお面を被るのは無理ですからー」と、断って、そこを離れて行くと、今度は 「たこ焼き 如何ですか おいしいですよ」と、配っている女の人が居て、見ると屋台クラブと書いてあった。


 竹を割ったお皿にラップを敷いて6個乗っかったものを受け取って、私達は足を止めていた。「蜂蜜レモン水もありますよー よかったら どうぞ」と、言われてそれも口にしていた。軽バンでの屋台が置いてあって、そこでは男子の学生がたこ焼きを焼いていて、その周りには4.5人が配ったり、勧誘をしていた。(峰ちゃんクラブ)と (カリッとろっ たこ焼き)の のぼりも立てて。


 私はおもしろそうなので、興味を示していると


「どうや 楽しいでー いろんなとこのイベントに行って、売るんやー たこ焼きとすじ焼きとか お好み焼きとか うちのは 評判ええんやでー」と、男子学生が寄って来て、勧誘なのか、関西の人らしかった。


「うん おもろそうやなー」


「えっ 君は関西か? じゃぁ 馴染みあるやろー? やってみんか?」


「できるかなぁー」運動部には入る気がしなかったけど、これなら私にも出来るような気がしていたのだ。


「できる できる 誰でもな 直ぐ! それに、君みたいな可愛い娘やったら いっぱい 人も集まるわー ホイッ! 入部希望 第1号やー」


「ええー 私まだー・・・」と、他のふたりを見ていると


「うん 私もやってみる」真菜ちやんが、言ったけど


「私 やめとく」と、香苗ちゃんは言っていた。


 その時、あの人が私達のそばを通って行ったのだけど、私達のほうをチラッと見たような感じだったけど・・・私に気がつかなかったのかなぁー 


 その後、香苗ちゃんに聞くと「私 合気道 ヤルの!」


「えぇー そんなんなのぉー」


 だけど、私達の後ろから声を掛けてくる人が居て、背中をトントンとして


「私 峰ちゃんチームのリーダーの 藤井朋子ふじいともこゆうネン 教育の3年やー あんた等 寮? 自炊やから晩御飯無いんやろー 私の部屋おいでよー 歓迎するわー たいしたもん無いけどー」


 真菜ちゃんはこのクラブには入らないと言っていたのだど「かめへん かめんへ 一緒においでよ」と、気楽に誘ってくれたので、私達は話し合って、行くことにしたら、6時にねと地図を書いてくれた。 

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