第9話 喪失少女の初配信②
「カンペバレちゃった?」
:見てんじゃねぇかww
:カンペだったか……
:バレちゃった?じゃないからww
:ワカラナイカラネショウガナイ
マネージャーのカンペ見てたらバレちゃった。
「あまり動かないように見たはずなのにみんなすごいなぁ」
呑気に考えるボクにコメントは笑っている。
「ま、まぁ、次の話に持って行くお話はリスナーさん? のお名前を決めていくらしいのですがどうします〜? ボクなりにも考えたけれど」
:えっへん!
:いやwめっちゃ動いたけどww
:普通に傾いてたからな
【楽堂ミライ】:アホっぽい?
:アホはお前じゃい!
:強引に次の話に持ってったww
:リスナー名か
:これまでのVtuberで一番の悩みどころではあるな
:考えてきたのえらい
:ん?ボク?
:おい待て、一人称僕だと!?
:僕っ娘きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
:Re:live初のボクっ娘だぁぁぁぁ!
:もう僕っ娘だけでご飯食っていきます
「あ、あの、確かにボクはボクって言いますけど、なんではしゃいでるの? あとリスナーの名前決めなきゃでしょ!? それとご飯はちゃんと食べてください!」
:そりゃあボクっ娘って珍しいし……
:ボクっ娘からしか接種できない栄養素があるので!
:余韻に浸らせてくれ!
:ちょっとだけ……ちょっとだけだから……
:ちゃんとコメへの反応が優しい……
:余韻に浸ってたいから俺達の名前決めててくれ
「ぐすん……、もういいです……勝手に決めさせていただきます……」
リスナーのみんなが放って置いてということらしいから、事前に自分の中での候補を挙げることにした。
「ボクの出す皆さんの名前は、『ポテト』です!」
:……
:……
:……みなみにその名前の理由は?
「どうしたの? 静かになって、え? 名前の理由? 退院したあとに初めて食べたおじいさんのポテトが美味しかったから!」
【寝琴ねむ】:こころのネーミングセンスない……
:俺達も一緒に考えるか……
:そうだな……
【楽堂ミライ】:今度私と食べに行こ!
【澄風トウカ】:ミライさん今は違うから……それとこころさん、もう少し考えた方がいいかと
:四期生(一名を除く)みんなから大バッシングww
「なんで!?」
さっきまで同期と思われる人達もリスナーのみんなもボクの案出したら否定してくるの?! 一応、マネージャーの方を見るとカンペで大きくこんなことが書いてあった。
『さすがにポテトはあれなのでリスナーと話し合ってちゃんと決めて下さい』
「マネージャーさん!?」
:どしたの
:マネージャーがどうかした?
「ポテトはさすがあれだからリスナーのみんなと話し合ってだって……」
:妥当だな
:妥当ちゃっ妥当
:それはそう
【さすがにポテトはやめて下さい。わたしも視聴者の皆様と一緒に考えますので、いい名前を決めましょう】
「社長まで!? あっ、でも一緒なのは助かります。ボクの名前みたいにいい名前を決めて欲しいな」
【いや、わたしの案は参考にするのであって、基本はリスナーの皆さんに頼って下さい】
:社長ww
:まぁ、さすがにポテトはないよな
:社長たすかる
:俺等に頼らないの?
:こころちゃんの名前、社長がつけたの!?
:あくまで案を出すだけなのね
「わかりましたよ……。リスナーの皆さん何か案ありますか?」
【澄風トウカ】:参考として私のチャンネルではソヨカゼと呼ぶことになりましたね
【楽堂ミライ】:あたしのところはお兄ちゃんとお姉ちゃんだぞ!
【寝琴ねむ】:……わたしは、眠り子……zzz
:ねむちゃん眠らないでー
:大体は自分の名前とか設定とかに関連するものが多いな
「みんなもありがと〜。同期にもなるみんな? も参考例ありがとね〜」
【ホー厶ページに色彩こころのプロフィール張ったのでそちらを参考にしていただけたら】
:四期生のことをあまりわかっていなかったように見えたのは俺だけだろうか
:気のせいだろ
:気のせいじゃね
:社長ありがとう
:誰がコピペよろ
:色彩こころ。記憶喪失の少女であり、私の持つたくさんの感情の色でみんなの心に彩りを与えながら、自分の一日一日の色鮮やかに染まった新たな記憶も埋めていきたい。
:仕事はぇよ。でもナイス
いつの間にか進んでいく話に食らいつきながらも、進行していく。もうこれボクじゃなくて、社長をVtuberにするべきだったのではないかとは思うのだけれど。でも、こうして相手の顔は見れなくても話すのは楽しいなと思うな。
:色彩の色関連でパレットとか?
:心=魂ってことでソウルとかはどうだ?
:それは違くね
:じゃあどうするの
:記憶が強く結びついてるからメモリー?
:俺的にはパレットかメモリーの二択かな〜
「結構案出たけどボクもパレットかメモリーかな〜。みんなどうする〜?」
【ここは、アンケートでも取りましょうか】
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