記録の断片 愛を求めた者の独白
???視点
愛……それは誰もが持っている一つの感情。
普段は人と人の恋愛で表したりする。
けど……それは本当に愛なのかしら?
皆口々に真実の愛だの運命で結ばれた愛だ。
……果たしてそれは本当の愛なんでしょうか?
口々で語った愛なんて……心なんて残らない。
「ねぇ……貴方にとって愛は何かしら?」
「んー!」
暗い狭い部屋の中、私は壁側にあるテーブル台の上に砥石が置いてある。
その上で刃物を研ぐと、部屋中に研ぎ音と部屋の中心に置いてある椅子に座った私の
楽しすぎたのか、彼女の目には涙が流れ落ちてきていた。
私はその涙をぺろっと舌で舐めとる。
やっぱり……人の嬉し涙はいい味するわね。
「楽しそうで……何よりよ……ちなみに私にとっての愛は……痛み」
透き通るような私の愛用両小斧が研ぎ終わり、眺めていると私の片腕に傷をつける。
その時、肉が裂ける素晴らしい感触と共に身体中に電気が通ったかのような感覚が私の体を襲う。
その感覚に自身の体を抱きしめ、ブルブルと震えまくる。
その行動に狂気を感じた
「愛の中で一番愛と呼べるモノ……他の
「それは偽りの愛なのよ」
ゆっくりと彼女の膝の上に座ると、抱きしめそこから私の愛理論をつぶやき始める。
「そんなのは偽り……そんな行為してもね一人が愛してなきゃ……それは愛じゃないの」
「本当の愛は……対等なの平等なの……ならそれを踏まえると……愛とは痛みなの」
「普通は痛みは痛いだけどそれは愛がないからそう思ってしまうのよ……だからね愛を持って与える痛みは」
ゆっくりと彼女の耳元に話かけ、吐息が届く所まで近づいた次の瞬間。
彼女の耳にゆっくり噛みつくと、力を加え、耳を引き裂こうとする。
その時、彼女の耳をつんざくような悲鳴と肉が裂ける音が部屋中に充満し、不協和音が完成していた。
そして私は耳を引きちぎり、私の顔や服に彼女の
口に入った耳は器用に骨だけ取り出すと、顔についた一部の血を指で拭き取り、血を舐めとる。
「まさしく……真実の愛」
そして口に入っていた肉を飲み込む。
その瞬間また静電気が体中心地いいぐらいに伝わっていく。
嗚呼……彼女の愛が……私の中の細胞と融合していくのを感じる。
「ただね……ただ痛みを与えるのではないの……その痛み一つ一つに愛がなきゃいけない」
「さっきもいった通り……言葉なんてなんの信憑性がない……全ては……痛み……だから私がするこの行為は……愛なの」
気持ちよく私の愛理論を述べ、いざ彼女へと愛を聞こうと向き直る。
だが、肝心の彼女はぴくりともせず、ぐったりとしていた。
嗚呼……今回も……私の愛を受け止められなかったのね。
可哀想に……ならせめて。
「私が貴方の愛を全て……食べてあげるわ」
それが私「愛狂鬼」の愛よ。
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