第16話 便利な発明品②
「そ、それじゃあ…」
私はポケットの中をゴソゴソとある物を探す。そして取り出したたのは母の形見の手鏡
「これは、手鏡?」
「う、うん…母の形見…」
「形見!?形見の物に機能搭載しようとしてるの!?なんかボタンとかつけなくちゃいけないのにそれはいいの?!」
「うん、…」
なにがダメなのか私にはイマイチわからなかった。だけど別に良い。持ち歩いてる物ってこれくらいだし
「そ、そう…それなら…」
そう言って彼は手鏡をカチャカチャと触り始めた
「なぁ、アレ形見なんだろ?本当に後悔しないか?」
「え、あ、わからない」
「わからないって…まぁいいか」
とガンダも言う。
なんとも言えない沈黙の間が続く。
それから数分後、そうしている間に出来たらしい。
「凄い」
私は手鏡の横についているボタンを押す。
すると何もないところから画面のようなものが出てきた。
「これって、どれくらいのものがストック出来るの?」
「結構保存量はでかめにつくったから普通に生活するぶんには困らない。ぐらいかな」
生活に困らない分には十分か。
「あとは買い出しとか、服のストックぐらいか。ミロワ、買い出しついでにお前の家からお前がいる物とってきてやるよ」
「え、ほんと?」
「おう。お前達はここで待っておけ。ミディはこれからの脱出に使えるものでも発明しとけ」
「なんなのその口の聞き方」
「なんでも良いだろ。あと買い出しでなにを買ってこれば良いかだな。メモして渡してくれ。」
「わかった」
と言って私とミディは大体半年生活するのに必要な物をメモしてガンダに渡す
「…なんかお前ら2人とも癖強いな…」
「え?」
2人が顔を見揃えて言う
「ミディ…お前メモの内容半分チョコ菓子じゃねぇか…」
「いやぁ、発明するのに頭を使うでしょ?だから糖分は必要かなって」
「いやまぁ、そうだけどよ…ミロワは逆に食材ばっかだな…」
「うん。半年分とは言われたけどそれだけあったらギリギリ1年は持つかなって」
「お前凄いな…料理が得意なのか?」
「一応、人並みにってだけだけど」
「そうか。わかった。買ってくるよ。明日か明後日までには荷物も全て持ってくる」
「ありがとう」
そう言うとガンダはミディの家を飛び出して何処かに山を下りていった。
(今からミーシィと二人きりか…なに喋れば良いんだろう…というか、ガンダが来るまで私はミーシィの家で過ごすのかな?)
気になって聞いてみた
「ねぇミーシィ。私ってガンダがいない二日間ってミーシィの家で過ごすの?」
「逆に何処で過ごすって言うんだい?」
「あ、え、」
確かに。家には戻れないし、行く当てもない。
「ハァ…数日間居座るだけだろう?それぐらいなら良いよ…でもその代わり自分で使った物は自分で片付けてね」
「わ、わかった…」
そう言って私がミーシィの家で暮らす時間が始まる
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