第4話

「よく出来ました。偉いでちゅね」



「....もしかしてじゃなくて、絶対に。俺のこと舐めてるよな?」



「えっ。筆下ろしなんてしてないけど!? 既成事実を勝手につくらないでくれる!」



「お前の頭は、ピンク一色しかねーのか!」



「一色というよりも、カラフルレインボーよ」



「なんか、うぜぇー。そして俺は、残念ながら童貞じゃありません」



「へ? そういう意味で言ったんじゃあーりません」



「じゃ、どういう意味?」



「作家が言う『筆下ろし』は、『執筆活動休止』に他ならないでしょ。私まだデビューもしてないんだから、勝手に既成事実くつらないでよね」



「....さすがに、こじつけが過ぎるぞ。後、誤解がないように訂正するとだな。『筆下ろし』なんていう作家用語はないんだよ」



「だから、言葉遊びだって」



「とりあえず、それ言っておけば何でも許されると思ってるんだろ? だがな世の中甘くはな──」

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