第10話

 優視点


・・・よし、動画も伸びてる!


この動画は漫画や小説の宣伝もこめて、同時に盛り上げている。


このまま順調にコンテンツとして俺の作品をもっと良くしたい。


「・・・」


窓の奥で泣いてる子供がいる。


・・・ランドセルを付けてるし、今って・・・まだあの年だと下校時間だよな。


「・・・う、うぇ、え、」


俺を見ると、女の子は驚く


「もしかして、優!!」


「お、そうだよ。もしかして俺のファン??」


「ファンって何??」


「俺のこと知ってる人かな?」


「うん、知ってるよ!!」


・・・

どうやら、もう泣き止んでテンションが上がってくれたようだ。


良かった。知名度が高くて、あと嬉しいなこんな小さい子も知ってくれてるって、


「君、もしかして迷子??」


「うん、そうなの」


やっぱりか・・・


「君・・・どこの学校の人?」


「えっとね」


ーーー


家は分からないし、流石に聞くと変に誤解されそうだし学校に送った。


「ありがとうございます」


「いえ、いえ、それでは、げん・・・」


「・・・っ」

女の子は俺の服を握る。


「・・・」


迎えが来るまで待つか。


ーーー


迎えが来て俺は驚いた。


「・・・お姉ちゃん、」


「良かった!!本当に」


感動の姉妹の再会だが・・・


まさか、姉の方が元同級生の夏だとは、関わりたくないし、さらっと、


「優・・・君?」


「お姉ちゃん、そうだよ!!優が私を学校に案内してくれたの」


ぎくっ!!


「・・・そ、そうなんだ」


夏は俺を見て気まずそうにしている。


「ありがとう、優・・・君。」


「うん、じゃあ、俺帰るから」


「待って、何かお礼させて」


「いや、帰りたい」


マジで、


ーーー

退学する前


席が隣の夏は俺にいつも冷たい視線を向けていた。

「私の近くに来ないでよ」

そう言いながら、俺と机が蹴ってくる。そのせいで机と俺の弁当そして、俺も一緒に倒れてしまったことがある。


ーーー

これが俺と夏の最後の思い出。


ほぼ関わったことない人の数少ない記憶がこれだから強烈だよね。



「お兄ちゃん、私もお礼したいな」


妹の方が俺を見ている。・・・ぅ、夏はともかく、この子は断りずらい・・・でもごめん!!


「・・・妹さんの帰り道しっかり教えてあげなね。じゃあ・・・楽しかったよ。雪ちゃん」


「優君!!」


「あ、お兄ちゃん、」


俺は二人のお礼を振り切り、家に帰る。



ーー


危ない。危ない。絶対あのままだとめんどくさいし、今度は誘拐とか企んでないでしょうね?とか言われそうだし。

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