第13通 バイトから正局員に。郵便屋さんの1日の仕事。

郵政外務職員の試験を難なくパスした私は1990年11月1日付でA郵便局第二集配課に配属する事になりました。

バイトで入った班にそのまま在籍です。

「4月採用だったら今年の年末年始はゆっくりする事も出来たのになあ。残念やったな?」と、仲の良い先輩局員がからかってくれます。

そう、この年から私は退職するまで年末年始は働き詰め決定です。


いつかは辞めるつもりだった郵便屋さんですが、この頃になると先輩班員達に私も打ち解けていて仕事が楽しかったので結果的に正式に郵便屋さんになれて良かったと思える様になりました。

それと、友人達は会社員や大学生という肩書きの中、国家公務員という肩書きが他と違うという変な優越感があったのです。例えば、レンタルビデオの会員証を作る時でも職業欄に国家公務員と記入。

ね?何か他の人と違う感じありませんか?

私だけですか?失礼しました。


では、当時の公務員時代の郵便屋さんの1日のお仕事はどういった流れで進められていたか?

今回はそこを中心にお話しします。


A郵便局では集配課は8時出勤です。

まず、郵便体操が始まります。これは郵便局独自のラジオ体操の様な体操です。

ラジカセからラジオ体操の様な号令が入った音楽が流れます。

この郵便体操の音楽は私が退社するまでカセットテープで流してました。

令和の時代にカセットテープって味があるでしょう?


体操が終わると郵便課が配達区別に区分した区分棚から定型郵便物を抜き取り郵便ファイバーという青色の長方形のケースに入れていきます。それを自班の各区の机に置くと、今度は定形外郵便の入った大型ファイバーを自班の各区に置いていきます。これは少々重いです。


まず定型郵便から自分の配達区の区分棚に郵便物を割り振って入れていきます。

これを「大区分」と言います。

配達区域によって違いますが、縦5段横20列ほどの区分口のマスがあり、区分口の左上のマスから配達スタートで上から下に順番になって右下が配達終わりといった感じに順番になっています。

定型郵便を大区分すると次に定形外を大区分していきます。

二つ折り厳禁の郵便物は無理に棚に入れません。別にします。


大区分が終わると班ミーティングを行い、その後郵便を配達の順番に並べる「順立て作業」を行います。

配達スタートの区分口になる一番左上のマスから郵便を抜き取り、机の上で配達順に記載されてる「順立てファイル」を見ながら、郵便物を配達順に並べます。

この時に一部転居が無いかもチェックします。

慣れると道順ファイル無しで順番に並べれる様になります。


続いて書留の交付が始まります。順立て作業中に郵便課から交付準備が出来たので取りに来て欲しいと周知があるので郵便課まで取りに行きます。

数を確認したら授受簿に印鑑を押印します。

書留を保管庫に入れ、残りの郵便物の順立て作業を終わらせ区分棚のマスに入ってる順立て済みの郵便を太い輪ゴムで把捉して午前中の配達分を配達カバンに入れます。

小さいタイヤが付いている滑車に載せてある大型のファイバーの中に道順にしてある大型の定形外郵便を太い輪ゴムで把捉して載せます。

あとは書留を道順にしてカブの鍵の交付を受けたら出発準備OKです。

自分のカブに郵便カバンを取り付け、後部に取り付けられている荷物入れのファイバーの中に定形外郵便を載せて出発です。出発時間はおおよそ10時から10時半ごろです。


午前中の配達が終わると郵便局に戻り(配達地域によっては局に帰らずに現地の休憩所を利用して休憩を取ります)昼休憩を12時半から13時45分取ります。

この昼休憩も12時30分から45分と13時30分は休息時間で仕事の進み具合の関係で取らなくても良くて、12時30分から13時30分は休憩なので取らなくてはいけないというものでした。後で知ったのですがこの休憩、休息の取り方は郵便局独自のやり方で民営化になって数年後には休息は15分間、休憩は45分に変更されます。


昼のミーティングが終わると昼の出発準備をします。

だいたいの郵便局には順立て作業の補助者としてパートを雇っていてその方々(大半が主婦)が午後の分の配達分の順立てを午前中に終わらせているので、その郵便を持っておよそ14時から14時半頃を目処に出発します。

郵便物が多い日は昼からも順立て作業をします。


昼の配達が終わって帰局するとカバンやバイク後部の荷物を入れる大型ファイバーの中の残留点検。書留の配達証などの枚数確認。郵便課への書留の返納。事故郵便(転居郵便やあて所に訪ね当たらない郵便等)の処理を行い、1日の仕事が終わります。

定時は16時45分です。


以上が公務員時代の主な郵便屋さんの1日です。

これが後に公社化になったり民営化になるにつれ、手作業だった作業に機械化の流れが入っていきます。

この辺りの事もまたいつかお話しできたらと思っています。


今回は淡々と郵便屋さんの1日の流れをお話ししたのであまり面白みが無かったかもしれませんね。


次回は郵便屋さんになった私が初めて乗った郵政カブのお話をしたいと思ってます。

バイクやカブ好きな方はお楽しみに。


今回もご愛読ありがとうございました。

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