十一章 六点リーダー

〔後の先:仮説〕

風呂敷のなかにあった、三つの凶器は、どれも使われていなかったのかもしれない。

〔間四件の一:観察文〕

自身番には被害者たちの死体が置かれていた。再度、検分を行った。大村昌村の死体と、見つかった刃物では傷口の断面が一致しなかった。菊太郎を絞殺した紐も一致しなかった。

〔間四件の二:移動文〕

未堂棟は水騒動よりまえの事件に着手する。変死体がふえていたという長屋へと向かった。

〔間四件の三:状況文〕

長屋通りで、青物問屋の主人と会った。覆面の男の目撃証言をきいた。謎の粉末を売っていた男はふたりいたらしい。未堂棟は薬包紙にはいった現物を回収する。

〔間四件の四:目的文〕

未堂棟はうそのおふれを広めるように指示を出した。蛇崩池の監視を弱めることで、犯人を誘き出すつもりだった。

〔先の後:新事実〕

別府は指示の意図を未堂棟にきいた。別府には連続殺人の真相に、いたっていなかった。いっぽう、未堂棟は犯人がわかっていたのである。

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