第137話 うまいことを言う

 朱里は大学生で、実家から通学している。

「あー、もうやだ」

「どうしたの?」

「うちのゼミの先生、すごくたくさん課題出すんだもん。別の取ればよかった」

「何言ってんの。神様はその人が乗り越えられる苦労しか与えないのよ。頑張りなさい」

 それからしばらくして——。

「朱里、最近家でゴロゴロしてばっかね。勉強は?」

「もういいんだ」

「はあ? なんでよ?」

「だって、ダメ人間なら神様から苦労を与えられないから」

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