第124話 渡せません

「お父さん、娘さんを僕にください」

「駄目だ」

「なんでよ? パパ。斗真のどこが悪いの?」

「お前は黙っていなさい」

「斗真は国立大学の理学部を出ているのよ」

「知っているさ」

「しかも、会社では同期で一番出世してるんだよ」

「それもわかっている」

「欠点なんて、友人からよく『常軌を逸している』って言われるくらいなんだから」

「問題は、そこ!」

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