第103話 俺カフェ

「ねえ、ちょっと疲れたし、のど乾かない?」

「じゃあ、そこで休もうか? 『俺カフェ』だって」

「俺のこだわりのコーヒーってことかな? 怖い店主の店じゃなきゃいいけど」

 そして入店したところ——。

「ゴロニャーン。ゴロニャーン」

「な、何なんですか? いったい」

 動揺しながらの私たちの質問に、中年の男性の店主は答えた。

「ここは『猫カフェ』ではなく、俺がじゃれてお客さまを癒やすんです。ゴロゴロニャ~ン」

「……」

 そこの店はまもなくつぶれたそうだ。そりゃそうだろう。

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